研究分担者 |
沢田 賢 早稲田大学, 商学部, 講師 (30144207)
日野原 幸利 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063471)
伊藤 隆一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (00063769)
和田 淳蔵 早稲田大学, 教育学部, 教授 (50063342)
宮寺 功 早稲田大学, 教育学部, 教授 (50063293)
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研究概要 |
有限グラフを3次元空間R^3に埋蔵すると,グラフ上のサイクルは結び目や絡み目となって現われる。我々は以前に次の2つの概念を導入した。グラフGが結び目を内蔵する(selfーknotted)とは,Gの任意の埋蔵f:G→R^3に対して,G上のサイクルCが存在して,f(C)は非平凡型の結び目となる。Gが絡み目を内蔵する(selfーlinked)とは,Gの任意の埋蔵f:G→R^3に対して,G上の交わらないサイクルの対(C_1,C_2)が存在して,f(C_1UC_2)が非自明な絡み目となる。6頂点完全グラフは絡み目を内蔵し,7頂点完全グラフは結び目を内蔵することが知られている。 本研究では,これら2つの概念に関する「臨界」という概念と,グラフマイナ-に関する「禁止グラフ」(禁止グラフの集合を障害集合という)という概念を導入し,その比較と検討を行った。実際,結び目の内蔵に関しても,絡み目の内蔵に関しても,臨界のグラフの方が禁止グラフよりも大きい集合であることを,例によって示した。また,結び目の内蔵に関する禁止グラフを新しく13個発見し,他に25個の候補を与えた。さらに「絡み目の内蔵に関する禁止グラフが決定できた」という米国のMatowani他2名による論文の証明には重大な誤りがあることを,具体的な例を挙げて指摘し,禁止グラフの決定問題の難かしさを示したが,残念ながら,今回の研究では,禁止グラフを決定できなかった。 次に,結び目や絡み目の平面上への正則射影図から得られる符号付き平面グラフに対して定義されているKirchhoffーGoeritz行列を,一般の符号付きグラフに対して拡張し,その幾何的な意味を考察した。これが空間グラフに対して,どんな結び目理論的な意味を持つかなど,多くの問題が残されている。
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