研究課題/領域番号 |
03804025
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
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研究分担者 |
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (40217857)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (20210560)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | MUレ-ダ- / 屈折率変動 / ブラントバイサラ周波数 / 大気動力波 / フレネル反射 / 湿度プロファイル / リモ-トセンシング / 大気乱流 |
研究概要 |
本研究では、MUレ-ダ-から放射される46.5MHzの電波が、対流圏・下部成層圏における大気の屈析率変動よって、フレネル反射される様子を観測すると同時に、気球搭載ラジオゾンデによる大気状態の高精度測定を行った。観測結果を検討することで、大気中には厚さ数十mの等方乱流層と、渦のない一様な安定大気とが高度間隔100ー数百mで交互に存在しており、それらが共に水平方向に成層していることが分かった。さらに、乱流層と安定層の境で、屈析率変動が水平方向にコヒ-レントな構造を持ち、これによりMUレ-ダ-の電波が鏡面的にフレネル反射されることが示唆された。 ところで、反射エコ-強度は一般に大気密度に比例して小さくなるが、その微細構造は、成層圏等における乾燥大気では、大気安定度の指標であるブランド・バイサラ周波数(あるいは温度勾配)で定まることが明らかになり、さらに反射エコ-のプロファイルを用いて、成層圏における温度擾乱の原因である大気重力波の特性を解明することができた。 一方、水蒸気を含む湿潤大気(高度約10km以下の対流園)では、エコ-強度は主に比湿(水蒸気の重量混合比)の高度勾配によって定まることが分かった。この観測事実をもとに、水蒸気が豊富である高度5km以下の下部対流圏について、反射エコ-強度から屈析率変動、さらに湿度プロファイルを推定するリモ-トセンシング法を考案し、基礎的な観測技術を開発した。従来、直接観測に頼っていた水蒸気分布を高い時間・高度分解能(1分および150m)で観測できることから、前線・台風といった気象擾乱に伴う水蒸気分布の時間・高度変化を詳細に観測し、大気の熱力学の研究に役立てられると期待される。
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