• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ヒドラの散在神経系における神経回路網の形成と維持機構

研究課題

研究課題/領域番号 03804061
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物発生・生理学
研究機関福岡女子大学

研究代表者

小泉 修  福岡女子大学, 家政学部, 教授 (50094777)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード神経回路網 / 発生神経生物学 / 散在神経系 / 突然変異株 / 螢光抗体法 / 再生 / 形態形成勾配 / ヒドラ
研究概要

腔腸動物ヒドラは、動物界でもっとも単純な神経系、散在神経系を持ち、脳や神経節の分化が見られず体全体に神経網を形成している。最近、神経ペプチドの抗血清および単一クロ-ン抗体を用いた蛍光抗体法により、whole mount標本でこの神経網を正確にかつ詳細に観察することが可能になった。その結果、散在神経系と言えども体全体に神経網が均一に分布しているのではなく、神経系は多くの部分集合から成り立っていて、神経網は極めて部位特異性の高い分布を示すことが判明した。
申請者は、ヒドラの強い再生力を利用して、頭部再生中の神経網の形成過程と出眼中の頭部神経網の形成機構について、神経ペプチドRFamideの抗血清、上皮細胞の部位に特異的な単一クロ-ン抗体、形態形成異常の突然変異体とそのキメラ、などを用いて神経網の形成機構を検討してきた。その結果、神経網形成が、再生中あるいは出眼中の上皮細胞によって供給される環境に支配されることを明快に示すことができた。
さらに、上述の研究成果を踏まえて、神経網形成中の神経細胞と上皮細胞の相互作用の分子機構について検討した。特にヒドラではよく知られている形態形成勾配の役割について検討した。その結果、1.形態形成勾配の異常を示す各種突然変異体は、神経分布と神経網再生の両者について異常を示し、その異常の傾向は形態形成の勾配異常と一致していた。又、2.Protein Kinase Cの2nd messengerであるDA(Diacylglycerol)でヒドラを処理すると、体幹の頭部形成促進能が上昇し、その時に、神経分布、神経網再生とも、変化がみられた。この変化は、高い頭部形成促進能を示す突然変異体と同様の変化であった。これらの研究結果より、ヒドラの神経網の維持と形成に、上皮細胞の形態形成能力の勾配が重要な役割を果たしていることが判明た。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] O.Koizumi,H.Mizumoto,T.Sugiyama & H.R.Bode: "Nerve net formation in the primitive nervous system of hydraーAn overview" Neuroscience Research. Suppl.13. 165-170 (1990)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] O.Koizumi &H.R.Bode: "Plasticity in the nervous system of adult hydra III.Conversion of neurons to expression of a vasopressinーlike immunoreactivity depends on axial location." Journal of Neurasciences. 11. 2011-2020 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 小泉 修,美濃部 純子: "ヒドラの原始的な神経系と神経ペプチド" 脳 腸ホルモン学会ニュ-ス. 6. 1-5 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] C.J.P.Grimnelikhuijzen,D.Graff,O.Koizumi,J.A.Westtall,I.D.McFarlane: "Neuropeptides in coeEnterates:A review" Hydrobiologia. 216/217. 555-563 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] O.Koizumi & S.Minobe: "Important role of epithelizel cells in the formation and maintenaze of nerve net in the primitive nervous system of hydra" “Molecular Basis of Neural Connection". (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] O.Koizumi,M.Itazawa,H.Mizumoto,S.Minobe,L.Z.Javois,G.C.J.P.Grimmelikhuijze & H.R.Bode: "The nerve ring of the hypostone in hydra:I.Its structure,Development and Maintenance" Journal of Comparative Neurology. (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] C.J.P.Grimmelikhuijzen,D.Grafハ,O.Koizumi & I.D.MacFarlane: "Evolution of the first nervous systems" Plenur Press,New York, 423 (1990)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi