研究概要 |
本研究は,イオン伝導体やマイクロ波誘電体などの機能性材料への設計指針を原子オーダーから解折することを目的とした。プリデライトは,一次元トンネル構造を持つホランダイト型化合物に属し,一次元超イオン導伝体として,高レベル放射性廃棄物処理のSYNROKとして注目を集めているものである。 K_2-Al_2O_3-TiO_I三成分系においてプリデライトの生成領域を明らかにし,折出条件を検討した。TiO_2-K_X(Al.Ti)_8O_<16>擬二成分系を明らかにし,析出条件を検討した。TiO_2-K_x(Al,Ti)_8O_<16>擬二成分系を明らかにし、低い温度領域(約1200℃)ではかなり広い領域すなわちx=1.45-1.80範囲で溶体を形成し,温度浩上昇するに従って固溶領域が狭まりx=1.5近傍に収歛することが明かとなった。この相関系に基づき,融体からの徐冷によりK_xAl_xTi_<8-x>O_<16>、K_xFe_xTi_<8-x>O_<16>及びK_XMg_X/_2Ti_8-_X/_23_<16>の単結晶を合成した。これらの組成はいづれもx=1.5近傍の組成を持つものであった。先に得られた状態図からも初晶として得られる結晶はこの組成であることが明かである。これらの結晶のキャラクタリゼーション,特に構造解析を行った。 次に,この結晶のトンネル内の陽イオンの分布状態を明らかにし,充填率と長周期の関係を明らかにした。トンネル内の六面体すなわち立方体に近い席の中に3種の陽イオンの席を明らかにした。それは,トンネル中央に存在するもの,ボトルネックに接するもの,及び中央から少しシフトした位置に存在するののがある。これらの陽イオンの位置を基本にトンネル中の充填率によりどの様に陽イオンが分布するかモデルを堤唱した。これらは基本周期からその6倍の長周期までのコメンシュレイトなモデルである。実際の構造はX線回折からインコメンシュレイトを示すが,これはこのコメンシュレイトな相がインターグロースしたものとの結論を得た。
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