研究課題/領域番号 |
03805010
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
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研究分担者 |
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00184664)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 地熱 / マグマエネルギ- / 固化マグマ / 部分溶融マグマ / 溶融マグマ / 熱収縮割れ / 破砕帯 / クリ-プ |
研究概要 |
マグマからの直接熱抽出における地下熱抽出システムの坑井周囲に形成される固化域の挙動を解明した。まず、固化域、部分凝固域および溶融マグマ内の温度場の熱抽出に伴う過渡的な応答の解析を行い、温度分布の経時変化を求めるとともに、固化域の成長、さらに熱抽出停止時の固化域の消滅過程を検討した。次に、得られた温度場を用いて、クリ-プを考慮した応力解析を花崗岩質、カンラン岩質および斜長岩質マグマに対して実施し、各岩質に対する固化域の応力分布の特徴およびその経時変化の特徴を明かにした。さらに、この応力解析をもとに、各岩質のマグマエネルギ-直接抽出システムに対する適用性について、開放型システムにおける坑井近傍の破砕帯形成の観点から評価した。得られた知見を要約すると以下の通りである。1.閉鎖型システムにおいては、熱抽出開始後短時間(400ー500時間)で固化域の成長がほとんどなくなる。これに対し開放型システムでは、はるかに長時間(1500時間以上)にわたって成長を続けその半径は坑井半径の30倍以上に達する。2.閉鎖型は、熱抽出停止後約1日で固化域が消失するのに対し、開放型では、消失までに約30日以上を要し、従って緊急停止後復旧までの猶予時間を十分長く見込める。3.坑壁での応力を調べた結果、花崗岩質クリ-プ特性を有する場合には、常に大きな圧縮応力が作用し周方向の割れは極めて生じにくい。これに対し、カンラン岩質クリ-プ特性を有する場合には、約5km以浅で、坑壁で周方向に引張応力が作用する。斜長岩石の場合には、この両者の中間の傾向がみられる。以上から、花崗岩質、カンラン岩質、斜長岩質の三者の内、カンラン岩質が熱抽出に伴って坑井周辺に破砕帯を最も形成しやすい性質を有し、開放型システムに適しており、斜長岩がこれに次ぐことになる。これに対し、花崗岩質の場合は、開放型熱抽出システムには不向きである。
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