研究課題/領域番号 |
03805013
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宇野 義幸 岡山大学, 工学部, 教授 (20029341)
|
研究分担者 |
田中 豊 岡山大学, 工学部, 教授 (80032944)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | バイオマシニング / 〓立栄養細菌 / バクテリア・リーチング / 除去加工 / チオバチルス・フェロオキシダンス / 電解バイオマシニング / バイオテクノロジ / 鉄酸化細菌 / 培養 / ATCC |
研究概要 |
本研究は従来の加工法の中には全く存在していない生物学的加工法、すなわちバクテリアを使って金属を加工する「バイオマシニング」の基礎的実験を行なうことを目的としている。そのためにまずバクテリア・リーチングで利用されている独立栄養細菌の一種であるチオバチルスフェロオキシダンスの培養液を使って金属の加工実験を行なった結果、基本的にバイオマシニングが可能であることを明らかにした。しかし昨年度は、加工中にpHが増加して細菌の活動を阻害するために、加工の進行が妨げられるという現象が見られた。本年度は、まずこの点を改善するために実験装置の改良を行ない、良好な結果を得た。すなわち昨年度の実験では、加工実験中に培養液が減少したので、本年度は加工槽を大きくするとともに、培養液の蒸発を防ぐ覆いを取り付けた。さらに、加工パターンをフォトリソグラフィの技術を使って工作物上に付けることにした。その結果、加工中のpHの増加はなくなるとともに加工速度は飛躍的に増加した。現在、加工速度は純鉄で14μm/hr、純銅で20μm/hr程度であり、しかもほぼ加工時間に比例するという状態を実現することができている。さらに、この加工法におよぼす電界の影響を調べた結果、0.5V程度の電圧をかけることによって、陽極側の加工量がほぼ2倍に増加することが確認された。これを「電解バイオマシニング」と命名した。電解バイオマシニングでは、電気条件のコントロールによっても、加工量をコントロールすることができるので、実用上極めて有利である。なお磁界の影響についても検討したが、今回の実験範囲ではその影響は見られなかった。以上の実験によって、微生物を利用して金属を加工することが可能であり、しかも加工時間や電気条件のコントロールによって加工量が制御できることが明らかとなったので、実用化に向けて今後の研究の発展が期待される。
|