研究概要 |
本研究者はビフィズス菌のうち,特にBifidobacterium adolescentisに真正のグルコース・イソメラーゼが存在することを世界で初めて発見した。本研究ではB.adolescentisをグルコース培地にて嫌気培養し菌体を分離後,超音波処理により菌体を破砕したのち,遠心分離し,粗酵素液を得た。次いで粗酵素液をDEAE-celluloseカラムクロマトグラフィー,Toyopearl HW-55ゲルクロマトグラフィー,更にSmart systemを用いたMonoQ PC1.6/5カラムクロマトグラフィー,そして最後にHPLC G3000SWxlカラムによるクロマトグラフィーによりグルコースイソメラーゼを高純度に精製した。ついでここで得られた精製酵素標品を用い,グルコース・イソメラーゼの諸性質を検討した結果,分子量は240,000であり,温度安定性は40°Cまで,至適温度は40°C,ph安定性は6-8,至適phは7.0であった。また金属イオンの影響については,特にMg^<2+>が最も優れていた。グルコースに対するKm値は8mMであり,他の細菌由来のキシロース・イソメラーゼのキシロースに対するKm値の約2倍であり,最初に述べたように真正のグルコース・イソメラーゼに相当するものと考える。
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