研究課題/領域番号 |
03806031
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
緒方 武比古 北里大学, 水産学部, 助教授 (00104521)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 有毒渦鞭毛藻 / 麻ひ性貝毒 / ペリジニン / 光捕集色素 / 光合成 / ペリジニンークロロフィルaー蛋白複合体 |
研究概要 |
有毒渦鞭毛藻の発生生態とペリジニンークロロフィルaー蛋白複合体(PCP)の関係を明らかにする目的でAlexandrium属3種およびGymnodinium catenatumについて研究を実施した。これまでPCPは多成分系であると考えられているが、その意義、生成過程は明らかにされていない。本研究ではその生成に蛋白分解酵素の関与を予測し、PCPの抽出、精製過程での蛋白分解酵素閣害剤の効果を検討した。その結果、阻害剤を用いない場合多成分系が観察されたが、存在下ではPCPは単一成分として得られることが判明した。この結果は、阻害剤の非存在下で生成された多くの成分が蛋白分解酵素の作用により生じたartifactであることを示し、また、本方法によりintactなPCPを調製可能であることを示した。次に、上記知見に基づき、各渦鞭毛藻から精製したPCPについてその諸性状を比較した。各PCPのアポ蛋白は1本鎖のポリペプタイドで、いずれも分子量は35kD前後でこれまであった。PCP各成分のstoichiometryを調べた結果、いずれの種においてもこれまで報告されているPCPと比べ、蛋白当りのPer.、Chl.a量が高く、また、Per.Chl.aの量比は種による違いがみられた。各PCPのアミノ酸分析はA.tamarenseとA.catenellaのアミノ酸組成は近似し、A.cohorticulaのそれはかなり異なることを示した。さらに、A.cohorticulaのPCPについてアミノ酸配列を調べ、N末端から50残基までを明らかにすることが出来た。PCPは光合成のアンテナ色素と考えられているが、これまで分離されたそれは全て遊離型のものであり、エネルギ-伝達効率の面からは疑問が持たれてきた。本研究ではこの点に関し、遊離型PCP以外に高分子量のコア蛋白に結合したPCPの存在を確認し得た。この知見はPCPも他の光合成生物の光捕集色素と同様に細胞内では結合型として集合し、エネルギ-伝達を効率化している可能性を示唆した。
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