研究課題/領域番号 |
03806033
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 勝子 東京大学, 農学部, 助手 (30092381)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | D-アミノ酸 / D-アラニン / 水産動物 / 遊離アミノ酸 / エキス成分 / Dーアミノ酸 / Dーアラニン / 二枚貝 / 巻貝 / 軟体類 |
研究概要 |
近年、微生物から高等動植物に至る多くの生物に種々のD-アミノ酸が見出されている。そこで、研究例の少ない水産動物における遊離D-アミノ酸の分布に関する基礎的データを蓄積するために本研究を企画した。 軟体動物、節足動物、棘皮動物、原索動物、脊椎動物に属する37種の水産動物の緒組織から80%エタノールエキスを調整し、D-アラニンの分析に供した。D-アラニン量は、D-アラニン酸オキシダーゼ(EC1.4.3.3.)で処理前後のエキスをアミノ酸自動分析計に付し、アラニン量の差として求めた。また、10%HCL含有プロパノールとトリフルオロ無水酢酸(TFA)でエキス中のDおよびL-アラニンをプロピルエステル-TFA化し、Chirasil-Valカラムを用いるガスクロマトグラフィーにより分離した。 海産二枚貝の筋肉では、D-アラニンは異歯目に属するバカガイ、ウバガイ、ミルガイ、ミルクイ、サクラガイ、ハマグリに高含量(150-820mg、組織100g中、以下同様)認められ、いずれも全アラニン50%を越えたが、翼形目に属するツキガイ、アカガイ、ホタテガイ、タイラギ、ヨーロッパヒラガキにはほとんど検出されなかった。汽水産類では、異歯目に属するマシジミの軟体部41mg認められた。また、軟体類の巻貝およびイカ・タコ類にはほとんど検出されなかった。エビ・カニ類の筋肉では、調べたすべての試料に8-264mgのD-アラニンが認められた。これらの動物群では、D-アラニン含量は種により大差が認められたが、D-アラニンが多いとL-アラニンも多く、D-アラニンが少ないとL-アラニンも少ない傾向があり、D-アラニンの、全アラニンに対する割合(D/D+L)は0.3-0.4とほぼ一定であった。ウニ類のバフンウニとムラサキウニの生殖腺にそれぞれ90および170mg認められ、D/D+Lは0.72および0.47であった。ホヤ類のマボヤ筋膜体および魚類のトラフグ、アンコウ、ヒガンフグ、コイ、ブリの筋肉を供試したところ、いずれの試料にもD-アラニンはほとんど検出されなかった。
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