研究概要 |
玄米の品質判定機に搭載するニューロプロセッサ開発の端緒として,透過率,分光比といった光学特性値を基に,玄米を整粒,未熟粒,被害粒,死米,着色粒など5つの代表的な外観品質区分に分類するニューラルネットワークによる品質判定シミュレーションを行うとともに,プロセッサ用のBPネットワークプログラムを新規に開発した。本研究により得られた主な知見は以下の通りである。 1.玄米の外観品質判定を目的とした階層型ニューラルネットにおいては,中間ユニット数を各品質区分に対応する出力ユニット数以上に設定することで,人間の目視による品質判定に近い判定を行い得る可能性を認めた。 2.BPネットワークによる玄米の外観品質判定においては,ほぼ1万ないし2万回以上の学習を行うことにより,目視判定に近い判定を行い得る可能性を認めた。 3.玄米の外観品質判定の学習を行ったニューラルネットは,学習していない光学特性のパターンやノイズの混在した同パターン等の呈示に対し,該当するパターンを想起して対応する品質判定パターンを出力する汎化機能をもつことが検証された。 4.ニューロプロセッサ用のBPネットワークプログラムを新規に開発するとともに,同プログラムによるシミュレーションを実施しその有効性を確認した。また,同BPネットワークプログラムのアッセンブラによる機械語に変換する準備を進めた。平成5年度はROMライターによるチップへの書き込みまでには至らなかったが,来年度以降も研究は継続して行い,当初の計画を達成する予定である。
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