研究課題/領域番号 |
03807001
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 隆洋 大阪大学, 医学部, 講師 (20135693)
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研究分担者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ニューロフィラメント / サブユニット蛋白質 / in vitro再構成 / リン酸化 / クロスブリッジ / 神経細胞 / 免疫細胞化学 / 急速凍結ディープエッチング / projection / crossbridge / 低角度回転蒸着法 / 急速凍結ディープエッチ法 / 細胞骨格 / ニュ-ロフィラメント / 軸索終末 / アルミニウム中毒 / 急速凍結ディ-プエッチ法 |
研究概要 |
ニューロフィラメント(NF)の機能的意義について、特にそのリン酸化と形態学的構成について4つの新知見が得られた。1.牛脳から分離精製したNFサブユニット蛋白質(NF-L,NF-M,NF-H)を種々の組合わせで再構成させ急速凍結ディープエッチ電顕法で観察した。その結果NF-HがNFの本質的構造であるクロスブリッジの形成に最も重要であることがわかった。2.次にNF-Hは蛋白質の中で最もリン酸化されていること、またリン酸化の程度は軸索で大きく、樹状突起、細胞体で小さいこと、更に軸索と樹状突起でNFの形態学的構成が極めて異なることから、NF-Hのリン酸化の変化がNFの形態にどのように影響するかをin vitroの切片法、低角度回転蒸着法及びディープエッチ法で検索した。脱リン酸化するとクロスブリッジが太く、分枝が多くかつ頻度が減少し、コアフィラメント間の間隔が狭くなることがわかり、正常なクロスブリッジ形成にNF-Hのリン酸化が必要と考えられた。3.更にニューロン内において何故NF-Hが軸索ではリン酸化され他のコンパーメントではそうでないかを明らかにするため、ラット神経細胞の樹状突起を用いて免疫細胞化学的に検索した。その結果NFが単独で存在する場合はNF-Hはリン酸化されないが、NFが複数集合するとリン酸化されることがわかった。すなわちNF-HがNF間のクロスブリッジを形成するためにリン酸化が必要であり、他の蛋白質と相互作用する場合は非リン酸化が必要なことが示唆された。4.更に上記の結果から、NF-Hのリン酸化の程度でクロスブリッジの構造が変化することが考えられ、アルミニウム投与したウサギ脳を用いて、神経細胞の細胞体と樹状突起に蓄積したNFを軸索NFと比較し、前者のNF-Hは後者よりリン酸化の程度が低く、コアフィラメントの配列が不規則で、クロスブリッジの頻度が小さく分枝する傾向にあった。以上よりNF-Hのリン酸化がよく発達した規則的なクロスブリッジを形成するために必要なことがわかり、NF蛋白質のリン酸化とNFの形態学的構成との間に相関関係が示唆された。
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