研究課題/領域番号 |
03807028
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岸 裕幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60186210)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 未熟胸腺細胞 / βT細胞抗原受容体 / グリコシルフォスファチジルイノシトール / CD3複合体 |
研究概要 |
βTCRの発現はCD4-8-細胞からCD4+8+細胞への分化に重要な役割を果たす。我々は、このような未熟胸腺細胞上のβTCRの構造、機能を明らかにするために、前年度作成した未熟胸腺細胞株LSB11-1およびβTCRトランスジェニックマウスを用いて解析を行った。LSB11-1細胞上にはCD3を伴わずに発現していると考えられるβTCRが発現しており、このβTCRがglycosylphosphatidylinositol(GPI)に結合しているかを調べた。phosphatidylinositol特異的phospholipaseC(PI-PLC)により処理し、FACScanにて解析すると、細胞表面のβTCRが減少していることがわかった。βTCRトランスジェニックマウスの胸腺細胞上にもβTCR+CD3ε-の細胞集団が存在しPI-PLC処理により細胞表面のβTCRが減少することがわかった。さらにβTCRトランスジェニックマウスの胸腺細胞の細胞表面蛋白質を ^<125>Iで標識後、PI-PLC処理すると、上清中に単量体のβTCRが遊離してきた。LSB11-1およびβTCRトランスジェニックマウスの胸腺細胞上には二量体のβTCRのほかに単量体の形のβTCRが存在している。以上の結果より、単量体の形のβTCRがGPIに結合していることが明らかになった。二量体の形のβTCRがどのような構造をとっているかは現在検討中である。LSB11-1細胞にαTCR遺伝子を導入し、αβTCRを細胞表面に発現させたLSB11-1α29細胞は抗βTCR抗体による刺激で細胞内Ca^<2+>の上昇が観察されたが、LSB11-1細胞を抗βTCR抗体で刺激しても細胞内Ca^<2+>濃度は変動せず、未熟βTCR複合体と、αβTCR複合体とは異なるシグナル伝達を行う可能性がある。現在、LSB11-1細胞を抗βTCR抗体で刺激した時に蛋白質のリン酸化等のシグナル伝達が誘導されるか検討している。今後、この未熟βTCRからのシグナルが未熟胸腺細胞の分化をどのように誘導するか検討していきたい。
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