研究課題/領域番号 |
03807048
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 雅嗣 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60155166)
|
研究分担者 |
佐橋 功 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90131242)
小澤 高將 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | Spinocerebellar degeneration / Mitochondria / Mitochondrial DNA / Ataxia / Nucleotide sequencing / Point mutation / Energy production / Ageing / 脊髄小脳変性症 / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 運動失調 / 塩基配列決定 / 遺伝子増幅 / エネルギー産生 / 加齢 / エネルギ-産生 |
研究概要 |
脊髄小脳変性症は運動失調を主症状とする変性疾患の総称である。臨床的には、緩徐に発症し、進行性に経過し、運動失調に加えて錘体路徴候、錘外外路徴候、末梢神経症状を呈することが特徴とされ、神経病理学的には多系統にわたる神経細胞の変性が認められる症例が多い。本研究では、脊髄小脳変性症における広範な神経変性へのミトコンドリアの機能異常の関与を明らかにするために、患者のミトコンドリア遺伝子の変異を解析した。血液細胞から抽出したDNAを鋳型として用いmtDNAをPCR法によリ一次増幅した。次に一本鎖DNAを非対称PCR増幅法を用いて一次増幅産物を鋳型として増幅した。二次増幅産物を鋳型として、蛍光プライマーを用いてSanger法によりシークエンス反応を行った。全塩基配列の快定には自動DNAシークエンサーを用いた。60例の患者において、塩基配列分析と制限酵素切断片の解析から、MERRF症候群の患者において報告されている塩基番号8344のAからGへの塩基転位、および小脳性失調・網膜色素変性・肥大型心筋症を合併した、患者において観察された塩基番号8993のGからTへの塩基転換は観察されなかった。そこで母系遺伝の疑われる本症の患者2例について、mtDNAの全塩基配列を決定した。その結果、非翻訳領域、rRNA遺伝子、およびmRNA遺伝子に複数の変異が見い出された。43例の全塩基配列との比較から、これらの変異の一部は他の疾患コントロールおよび正常コントロールにおいても見い出された。症例2において見られた非同義置換のうち、ND2過伝子とATP6遺伝子の変異は、パーキンソン病の恚者と1例のコントロールにおいても観察された。今回の症例で同定された種間で保存されているアミノ酸の置換やRNA遺伝子における点変異の、脊髄小脳変性症における神経変性の機序への関わりをさらに検討するために、今後正常群および疾患群におけるmtDNAの塩基多様性についてさらに解祈を行う必要がある。
|