研究課題/領域番号 |
03807083
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
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研究分担者 |
菊地 俊之 千葉大学, 医学部, 助手 (30231278)
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
落合 武徳 千葉大学, 医学部・外科学第二, 助教授 (80114255)
榎本 和夫 千葉大学, 医学部・附属病院・第二外科, 助手 (70223659)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 肝機能 / 肝予備力 / アミノ酸 / アミノ酸利用率 / 肝蛋白合成率 / 肝切除 / 針生検 / 肝硬変症 / 肝機能検査 / 肝予備能 / 蛋白合成率 / リドカイン / monoethylglycinexylidide(MEGX) / 肝切除術 |
研究概要 |
肝移植、肝切除等肝手術に於いて肝機能予備力を術前に適格に評価することは適応決定上重要である。我々は生体侵襲時に最も重要な生体代謝能は肝蛋白合成力であることに着目し、肝機能の指標として、肝アミノ酸利用率測定と単位肝組織当たりの蛋白合成率測定より肝予備力評価が可能か否か検討し以下の結果を得た。 イヌ虚血障害肝、臨床肝手術例での検討に於いて、肝アミノ酸利用率は、その障害度に応じて変化する良い指標であること。このアミノ酸利用率は肝全体での蛋白合成能の近似であること。 ラット肝硬変モデルにおいて、肝蛋白合成率は、正常肝のそれと比し有意に上昇し、肝予備能の低下が示唆された。肝硬変モデルに肝切除を施行しその後の生存率を観察すると、切除前の肝蛋白合成率の上昇を示したもの、即ち肝予備能の低下を来していると考えられたものは、低い生存率であった。 臨床例に於て肝より針生検法にて肝組織を採取し蛋白合成力を測定すると、黄疸肝や硬変肝症例ではすでに肝蛋白合成力の増大がみられること、単位肝組織当たりの蛋白合成力の増大には限界があることから、休息状態における蛋白合成力の増大は単位肝組織当たりの予備力の低下を示していることを明らかにした。 以上、肝アミノ酸クリアランス測定により、リアルタイムの肝機能評価を可能と出来ることが示唆された。また肝蛋白合成率の侵襲に対する増大の程度は肝の機能予備力をあらわしており、侵襲前(術前)においての単位当たりの肝組織の蛋白合成率の上昇は、その増大に限界のあることより、機能的予備力の低下をあらわしていると考えられ、術前における、針生検肝組織の蛋白合成率測定と、肝アミノ酸利用率測定により、肝予備力評価を成し得る可能性が示唆された。
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