研究課題/領域番号 |
03807105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
福井 準之助 信州大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (50115367)
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研究分担者 |
加藤 晴朗 信州大学, 医学部・附属病院・泌尿器科, 助手 (90233808)
岡田 昇 信州大学, 医学部・附属病院・泌尿器科, 助手 (80177055)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 表面電極による電気刺激 / 骨格筋膀胱 |
研究概要 |
今回われわれは脊損患者の痙性麻痺の治療として行なわれている、拮抗筋交互電気刺激を応用し、脳血管障害患者20例(男性15例、女性5例)を対象として頻尿尿失禁の治療効果を評価した。方法:表面電極による電気刺激装置respond 2(Medtronic社製)を用い、患側(麻痺側)大腿部の伸筋群と屈筋群に表面電極を装着する。ベッド又は車椅子に坐位の状態にして伸筋群と屈筋群を交互に4秒間ずつ電気刺激する。電気刺激の強さは患者が疼痛を訴えない範囲で最大筋収縮を得られる強さとした。これを1日20分間づつ毎日3週間行ない治療前後で効果を評価した。結果:治療前後で排尿回数、1回排尿量の平均値、1回排尿量の最大値は改善しておりそれぞれt検定で有意差を認めた。また、効果判定基準を以下の様に定めた。すなわち、排尿回数が50%以下に減少、1回排尿量の平均、又は最大値が50%以上増加、又は失禁量の著明な減少のいずれかを認めた場合に有効として判定した。20例中、有効は13例(65%)、無効6例(30%)、判定不可1例(5%)であった。尿失禁や頻尿に対する治療としての電気刺激療法は、最近腔内挿入電極や肛門内挿入電極での治療効果が報告されている。その効果は報告者により差があるが50%〜70%の治療効果である。腔内や肛門内への器具の挿入には不快感も伴い好ましくない点もある。今回われわれが行なった表面電極での電気刺激療法は、その点不快感もなく効果判定の方法に若干問題があるかもしれないがほぼ同じ成績が得られ、より好ましい方法であると言えよう。また、この方法による排尿促進効果は認められなかった。次の階段として今後は神経因性膀胱の症例などで骨格筋を膀胱周囲に巻いて表面電極で電気刺激し排尿を促進する治療法の検討に入る予定である。
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