研究課題/領域番号 |
03807106
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
根上 晃 福井医科大学, 医学部, 助手 (50201695)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 不妊症 / 着床 / In vitro / 培養 / 子宮内膜 / 細胞外成分 |
研究概要 |
子宮内膜細胞を細胞外成分を基質として培養し、生理的な組織構築の形成に成功し、初期胚着床のモデル実験を生体外でほぼ生体内と同様に行なうことが可能になった。本年度は不妊症患者や手術により摘出された子宮組織を細胞外成分(コラ-ゲン等)の抗体を持ちいて染色し、正常子宮内膜の月経周期に依存した細胞外成分の発現の変化を明かにした。この結果より培養条件下でヒトの子宮内膜再構成が可能になり、以下の新しい知見が得られた。ただし、着床実験の一部は倫理的側面の制約から実験材料に家兎を用いて行なった。 1)子宮内膜に存在するコラ-ゲンは月経周期とともに周期的な変化を示し、着床準備状態を築き上げることが明かになった。着床期は内膜上皮下層の基底膜成分にIV型、V型コラ-ゲンが染色されラミニンとともに着床初期の初期胚接着の重要な因子になるものと思われた。 2)家兎の着床実験では内膜上皮との接着促進因子としてカルシュウム、ラミニン、コラ-ゲンがとりわけ重要であり、これらを取り除くか、抗体を用いれば着床は完全に阻害された。 3)着床期に働くステロイドホルモンの検討では、黄体期のプロゲステロンは内膜上皮の形態、機能発現に重要であること以外にも、内膜間質とも相互作用し、腺管の間質内に占める割合を制御していることが判明した。初期胚はその制御された脱落膜空間で細胞外成分と相互作用をしながら着床初期の増殖分化を遂行するものと考えられた。 以上の結果より我々が開発した子宮内膜培養システムは着床初期の初期胚ー内膜相互作用解明のための基礎的な実験システムとして、また妊娠初期の着床の維持機構の優れた研究手段になるものと思われる。
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