研究課題/領域番号 |
03807120
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
永井 教之 岡山大学, 歯学部, 教授 (90085770)
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研究分担者 |
赤木 巧 岡山大学, 歯学部, 教務員 (50192878)
井上 正久 岡山大学, 歯学部, 助手 (20223274)
長塚 仁 岡山大学, 歯学部, 助手 (70237535)
竹下 信義 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00118275)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 歯原性腫瘍 / エナメル上皮腫 / ヒト胎児歯胚 / 口腔粘膜上皮 / サイトケラチン / 中間径フィラメント / 細胞骨格 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本研究は細胞骨格の面からエナメル上皮腫の細胞学的性状を明らかにすることを目的として、免疫組織化学的電子顕微鏡検索により、エナメル上皮腫におけるケラチン分子種の分布および細胞内中間径フィラメントの特長について検討した(初年度)。二年度については、歯胚分化における細胞骨格の分布について免疫組織化学的、免疫電顕によってケラチンフィラメント、チュブリンの局在と分化を検討した。 エナメル上皮腫、歯胚、口腔粘膜上皮の細胞骨格、とくにサイトケラチンと中間径フィラメントについて免疫組織化学的、電子顕微鏡的に検索した結果以下の結論を得た。 1.エナメル上皮腫、腫瘍細胞のサイトケラチンからみた細胞骨格は、成人歯肉上皮細胞よりも胎生期上皮細胞に類似し、組織型により明らかな相違を示していた。 2.濾胞型エナメル上皮腫では、歯胚構成細胞に近い細胞骨格を示すことが示唆された。さらに、胞巣中央部の細胞は、歯堤にも類似性がみられた。 3.叢状型エナメル上皮腫では、胎児口腔粘膜上皮細胞に類似した細胞骨格を示したことから、歯胚構成細胞とは形態分化の方向が異なっている可能性が示唆された。 4.サイトケラチンNO.19は口腔内の歯原性腫瘍あるいは嚢胞と、他の非歯原性腫瘍あるいは嚢胞の鑑別において、歯原性上皮組織のマーカーとなり得る可能性が示唆された。また今回の検索では、胎児口腔粘膜の基底細胞はサイトケラチンNO.19に対して強陽性であった。歯原性上皮が胎児口腔粘膜に由来することから、歯原性上皮組織はその母組織としての胎児口腔粘膜の性格を発現している可能性が示唆された。 尚、免疫電顕法による局在、テネイシン、フィブロネクチンの相関については現在検討しつつあり、詳細は今後に残された。
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