等高線法は地形の三次元的形態を表示する精度の高い方法で、現在地形図等でひろく使用されている。本研究はコンピュータや周辺機器を利用して、地形図類の整備されている日本列島の等高線を入力・データベース化し、地形計測的手法(埋谷接峰面など)のコンピュータ処理化とトポロジーやフラクタル幾何学などの援用によって、等高線の線的・面的な数値特性を捉える手法を開発し、これによって日本列島の地形の形態的特性の把握を行おうとするものである。 研究では、まず等高線データの入力と解析に必要なコンピュータ・システム(パソコン+ディジタイザ+光磁気ディスク)の整備と、既開発プログラムやデータ等の新システムへの移植等を行った。次に、1/50万〜1/300万クラスの小縮尺図をベースマップとして、日本列島の等高線データをディジタイザより入力し、これらをデータベース化した。また、中縮尺地形図(1/2.5万〜1/5万)からは、処理の容易さ、地形・地質的な特性を考慮して、2・3の地域(境界領域の明瞭な島嶼部などの等高線データを入力・データベース化した。 これと並行して、ベクター型データとラスター型データとの比較のために、ラスター型データの国土数値情報(標高データ)を任意の範囲について切り出し、処理(グラフイック表示等)するプログラムや中縮尺図の等高線データとの比較のためのプログラムの開発を行った。 現在、等高線データを利用した従来の地形計測的な手法(高度-面積グラフ、ヒプソメトリック曲線、埋谷等高線・接峰面など)をプログラム化するとともに、これらに新しい地形解析法(フラクタル次元など)を加えた数値地形解析プログラムの開発と解析データのグラフィック処理のためのプログラム開発を進めている。
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