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視覚認識の中間過程の表象を用いた反応時間の定量的モデル化

研究課題

研究課題/領域番号 03831005
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 認知科学
研究機関東京農工大学

研究代表者

大森 隆司  東京農工大学, 工学部, 助教授 (50143384)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード反応時間 / 連想モデル / 神経回路網 / シミュレ-ション / 変形 / 表象
研究概要

本研究では、心理物理実験の反応時間を、刺激の脳内表現とその操作という観点から考え、その定量的なモデルを構築することを目的とした。例えばメンタルロ-テ-ションの反応時間は、二つの刺激の回転角度に比例して増加する。これは二つの刺激の間の角度のずれを補正する動作がゆっくりしたものであり、その脳内過程が反応時間として測定されていると考えられる。このような過程を調べるため、本研究では二つのモデルを考えた。一つは、視覚刺激の提示から反応が得られるまでの時間の脳内での信号処理の過程を階層的な連想記憶と考え、練習(学習・記憶)の回数とともに反応時間が短縮していく過程をモデル化した。そして簡単な心理物理実験を行ない、その結果とモデルの計算機シミュレ-ションの結果がほぼ一致することを確認した。ただし、その際に生理学的なシナプス変化の時定数に相当するパラメ-タが測定されるが、その生理的な妥当性の検討はこれからである。もう一つは、脳内での図形のマッチングのプロセスのモデル化とその数学的な理論の構築である。心理物理実験では、二つの図形のマッチングはその二つの形の違いが大きいほど反応時間が長くなることが知られている。本モデルは、その変形した図形のマッチングを図形の変形のプロセスと解釈し、そのニュ-ラルネットワ-ク上での実現と理論化を行なった。このモデルと理論では、図形は局所的な特徴の集合として表現され、その個々の特徴を移動させることで任意の変形を実現している。またその移動は確率過程として表現され、状態遷移マトリクスを操作することが図形の表現に対する操作であると規定した。これらの研究により、人間の視覚認識の脳内過程の計算理論のとっかかりができたと考える。今後は、より現実的な実験パラダイムに対して適用可能なモデル・理論を構築していく必要がある。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Omori,T.: "Image Transformation by Spatial Inhibition and Local Association" Proc.of lJCNN'91ーSingapore. 640-645 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 大森 隆司: "Basic,Sub,Superーordinateの認識時間の連想記憶モデルによる説明の試みー物体の表象・プライミング・タスク要求のモデル化ー" 日本認知科学会第8回大会論文集. 2-3 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 望月 彰子,大森 隆司: "局所連想ネットワ-クによる図形の任意の変形" 計測自動制御学会第1回ニュ-ラルネットワ-クシンポジウム. 115-120 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 大森 秀樹,大森 隆司: "海馬機能を取り入れた連想学習システム" 第6回生体・生理シンポジウム論文集. 273-276 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 山岸 信雄,大森 隆司: "視覚記憶形成の脳モデルに基づいた認識反応時間の説明の試み" 日本認知科学会平成4年度大会.

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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