研究概要 |
本研究は,平成2年度までの3ヶ年の科学研究費(一般研究(C))「ファジィシステム理論に基づく意思決定エキスパートシステムに関する研究」の研究成果を用いてファジィ意思決定支援システムに拡充・発展させ,同システムの構築と応用について,平成3年度から3ヶ年にわたって行ったものである.その研究成果の概要を年度ごとに次に示す. (1)平成3年度では,ファジィ推論法,ファジィデータの処理法,組織における意思決定に関する情報の流れ,ファジィ意思決定支援システム(FDSS)の構築案,事例研究などについてある程度の成果を得た. (2)平成4年度では,FDSSの形式・規模を決定し,その構築支援ツールを作成した.また,ファジィデータベース,ファジィモデルベース,ファジィ知識ベースの構築案を明らかにした. (3)平成5年度では,マーケッティング特に店舗立地問題に焦点を当て,モデルベースとしては評価手法を用い,これにファジィデータベース,ファジィ知識ベースを組み合わせてFDSSを構築した.評価に当っては,各評価項目の階層構造を形成するためのユーザへの支援機能と,総合評価の支援機能とが付け加えられている.一方,ファジィデータベースとしては,店舗立地問題への対応から,地図データベースを用い,消費者が店舗までの距離を主観的にどのように感じるかをファジィ推論を用いて検討し,これを店舗立地への影響度という指標としてとり入れている.以上について事例研究を行い,その有用性を明らかにした.
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