研究課題/領域番号 |
03833023
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子細胞生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡辺 一雄 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00158619)
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研究分担者 |
河原 明 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50112157)
天野 實 広島工業大学, 環境学部, 教授 (00076986)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 無蛋白培養 / 増殖因子 / 繊維芽細胞 / 軟骨 / 鞏膜 / 間充織 / オートクライン / 軟骨細胞 / ニワトリ胚 / 胚細胞 |
研究概要 |
(1)強膜線維芽細胞が分泌するオートクライン因子群のうち、熱感受性ヘパリン結合性のSAF-llaは分子量約16KDaでBALB/c3T3細胞をよく増殖させ、FGF familyと考えられる。SAF-lおよびSAF-llbは独立の因子でその本体はいまだ不明である。この細胞はトランスフェリンをオートクライン産生しておらず、トランスフェリン以外の鉄導入機構を備えている可能性がある。 (2)強膜繊維芽細胞は、軟寒天中で分化軟骨クローンに分化する周軟骨性前軟骨細胞である。bFGFはこの軟骨分化を抑制しつつ、強い増殖促進活性を示す。bFGFは分化軟骨細胞に対しても、同様に巨大化細胞への分化を抑制しつつ強い増殖促進活性を示す。このbFGF依存性の増殖促進を、TGF-βは、前軟骨細胞では阻害し分化軟骨細胞では増強する。なお、単層培養の培養上清中にはELISAで検出可能なTGF-β様分子が存在する。 (3)培養上清中に、bFGFに類似して軟骨分化抑制下に顕著な細胞増殖の持続を導く画分が存在し、SAF-llaである可能性がある。これは胚の前軟骨細胞から直接分離されたオートクライン因子であり、肢芽の進行帯で機能している因子との関連が強く期待される。 (4)レチノイン酸は、細胞密度が低いと増殖阻害的に、高いと促進的に働く。この働きはオートクライン増殖因子の産生能の変動を介して行われているらしい。 これらのオートクライン因子群は、自細胞腫(前分化細胞)と他細胞腫(既分化細胞)増殖に対して多様な調節を行う組織環境を提供できることが判る。位置情報を含む環境条件に対応してこのような因子の相互作用がプログラムされ、軟骨形態形成が起こると想定することができる。
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