研究概要 |
研究経費 平成3年度1,100,000千円 平成4年度700,000千円 計1,800,000千円 研究経過 ヒトc-retプローブによるSouthem解析からショウジョウバエゲノム中に多数のPDGF受容体族遺伝子の存在が示唆されたので、これら遺伝子を単離し、さらに、これら遺伝子座へのP因子挿入突然変異を大規模に検索して突然変異体を得ることを試みた。c-retプローブにハイブリダイズする5種のクローンを単離し、塩基配列からFGF受容体に相同な2種の受容体Tyrキナーゼ(DFR70C,DFR90E)を同定した。両者の構造は互いに似るにも拘らず、その発現の組織特異性は全く異なり、それぞれ特異的な機能を有することが示唆された。クローン化した遺伝子を基にその突然変異を分離する一般的な方法論の確立を行なった。そのために、P因子挿入による多数の突然変異を誘発し、その中からP因子プライマーを用いたPCR反応で挿入部のDNAを増幅し、既に単離した遺伝子とのハイブリダイゼーションを行なう。これによって、極めて感度が高く効率的に検索を行なえるようになり、実際の検索を始めたところである。 研究成果報告書として取りまとめられない理由 ショウジョウバエを材料としたのは、同種では遺伝子と突然変異体とを利用することによって遺伝子機能を直接個体レベルで解析できるからである。本研究もその突然変異体の分離を前提としており、検索法を確立してようやく実行可能となった段階である。突然変異体を分離して、その表現型から機能が明らかになった段階で、構造解析などのデータと合わせて発表したい。 研究成果の取りまとめ時期(予定): 平成6年8月30日頃
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