研究課題/領域番号 |
03F00134
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授
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研究分担者 |
QIU Dongmei 順天堂大学, 医学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 女性 / 年齢 / 死亡率 / 年齢調整死亡率 / 受療率 |
研究概要 |
本年度の研究では日本の女性の健康問題研究の基礎資料とするために、最近の人口動態調査(死亡票)統計および患者調査により解析を行った。 方法としては1995〜2000年までの人口動態死亡統計により昭和60年モデル人口を標準人口として直接法による年齢調整死亡率を計算し、女性に多い死因の年次推移及び性比の地域・年齢群別分布を観察した。1996および1999年の患者調査により女性が男性より受療率が高いとされてきた疾患を選出し、受療率の年齢分布の特徴を検討した。1990年人口動態職業・産業統計より全死因の職業・産業別の年齢群別死亡率を算出して、男女を比較した。これまでの解析結果では死亡率の年次推移をみることにより胆のうがん、くも膜下出血、慢性リウマチ性心疾患及び慢性非リウマチ性心内膜疾患が女性に多いことを確認した。年齢群別の比較では、女性に多い死因の中でも死因により死亡率の年齢分布はそれぞれの特徴があることが認められたが、性比に関しては大きな地域差は見られなかった。 全年齢群で、女性の受療率が男性より高い疾患はカンジダ症、甲状腺中毒症、神経症性障害・ストレス関連および身体表現性障害、結膜炎、メニエール病、胃炎および十二指腸炎、便秘、頚腕症候群および膀胱炎であった。理由としては、これらの疾患では女性ホルモンの変化との関連が少なく、女性自身の生理構造などに関連していることが考えられる。25歳以上から女性受療率が高くなる甲状腺の悪性新生物および骨粗しょう症に関しては女性ホルモンの部分的な影響があると思われる。45歳以上から女性受療率が高くなる高脂血症、アルツハイマー病、白内障、本態性高血圧、慢性リウマチ性心疾患、くも膜下出血および大腿骨骨折では女性ホルモンが予防因子であることが考えられ、閉経後に男女の生活習慣の差の影響が明らかになってきたことが推測される。 全死因の職業別死亡率ではすべての年齢群が精神的ストレスの多い管理的職業で女性の死亡率が男性より高かった。
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