4足歩行ロボットは環境への適応能力を有しているため、震災等による瓦礫の散在する環境下での生存者の探索・救援などの作業に有効であり、レスキューロボットとしての活躍が期待される。ただし、このような複雑で予想困難な環境での運用に対しては、4足歩行ロボットに環境適応移動能力を十分に発揮させることが極めて重要となる。本研究は、瓦礫の散在する環境下での生存者の探索・救援を行うレスキューロボットを実現するために、未知環境における4足歩行ロボットの自律ナビゲーションシステムの設計・構築を目的としている。本年度において、数学モデルが不確定でしかもセンサー情報が不足している自律知能移動ロボットのローカル的なナビゲーション手法として2種類のロバスト的な適応ニューロ・ファジー運動制御系を構築した。一つの運動制御系はファジー的反応をベースとするナビゲーション手法で、一般的なロボットアームの制御信号の生成に用いられている。もう一つのファジー的反応をベースとするナビゲーション手法は移動マニピュレータモデルに適応して、確率的ロードマップの2ノード間を連結するしなやかな軌道を生成・追従している。 以上の研究で得られた研究成果が国際会議で発表され、なお未知環境における4歩行ロボットのための自律ナビゲーションシステムを構築する踏み台にもなっている。
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