(1)火炎合流現象、(2)バックドラフトの発生に関する開口部の位置の影響の評価、(3)バックドラフト発生に至る流体力学的過程について、主として数値流体シミュレーションによる研究を行った。 火炎合流現象については、長谷見研究室で最近、実施したバーナー火炎を火源とする実験の結果を参照し、数値流体シミュレーションによる火炎合流の再現を行い、この現象がほぼ流体力学的過程としてモデル化することができ、燃焼反応そのものに対しては、それによる発熱・対流の形成以外の影響を受けないことを明確にした火炎合流による火炎高さの変化についても、流体力学的考察に基づく実験式を誘導した。この結果から、木材等、建築空間で一般に見られる可燃物が燃焼した場合の実験計画を検討した。 バックドラフトの発生に関する開口部の位置の影響評価については、過去に実施された室火災実験データを整理して、開口部の高さが、バックドラフト発生条件に影響し、開講が高いほど、バックフラフトが生じやすい事など流体力学的に説明し、検証した。 バックドラフトに至る室内気流の流体力学的過程について、数値流体シミュレーションで再現を試みた。この結果、乱流モデルを適切に選べば、浮力について類似の条件を設定して実施された塩水模型実験の結果をよく説明することを確認した。以上の3項目については、英文論文をとりまとめ、2004年に開催される国際シンポジウムに投稿し、採択された。更に、2004年度に実施する室内燃焼実験について、学外を含む日本の専門家の意見を聞きながら、実験計画を進めた。
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