研究課題/領域番号 |
03F00318
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
長濱 嘉孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授
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研究分担者 |
BHANDARI Ramji Kumar 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ティラピア / 生殖腺 / 性分化 / 生殖腺体細胞 / 生殖細胞 / エストロゲン / 芳香化酵素阻害剤 / 性の可塑性 |
研究概要 |
脊椎動物における性決定及び生殖腺の性分化に関する研究は、特にマウス等の哺乳類を用いた研究が活発になされてきたが、いまだに性決定から雌雄の生殖腺(卵巣と精巣)の形成に至る性分化の分子カスケードは不明である。本研究では、Bhandari博士らが雌雄異体硬骨魚類であるティラピア成魚で成功した人為的性転換実験系を駆使して、生殖腺の性転換時に起こる生殖細胞の変化、体細胞の分化、脱分化、分化転換の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。 平成15年度は、先ず生殖腺刺激ホルモンサブユニットmRNAのリアルタイムPCRアッセイシステムを確立するとともに、以下の二つの実験を開始した。 (1)未成熟ティラピア(体長約6cm)を芳香化酵素阻害剤(ファドロゾール)を含む餌で飼育し、飼育開始後49日、56日で生殖腺、脳下垂体、脳を固定するとともに、採血を行った。さらに今後、63日、70日についても同様に組織を固定するとともに、採血を予定している。 (2)雌成魚ティラピア(約16cm)の筋肉、或いは腹腔内にファドロゾールを含むペレットをインプラントして15日後に(1)と同様に組織を固定するとともに、採血を行った。固定した際の生殖腺外部形態の詳細な観察から、卵巣から精巣への性転換が明らかとなり、ファドロゾールを餌に混ぜて与えた場合と比べて生殖腺の性転換の進行(精巣への転換)が著しく早く進行しているのが確認された。また、性行動の雄型への転換も同様に急速であった。これらの結果は、雌雄異体魚成体でもエストロゲン生産が抑えられると雄への性転換が急激に起こることが明らかになった。今後、(1)、(2)で得られた組織(分子レベル)と血液(性ステロイド)を解析することにより雌雄異体成魚における性の可塑性のメカニズムについて明らかにする計画である。 なお、本研究の一部は平成16年3月1日から5日までハワイで開催された2004年国際アクアカルチャー学会で発表した。
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