研究課題/領域番号 |
03F00652
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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研究分担者 |
JIANG Chao 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 量子ドット / ナノ構造 / ガリウム・アンチモン(GaSb) / 分子線エピタキシー / 自己形成 / タイプIIヘテロ構造 / 零次元電子 / 量子準位 |
研究概要 |
量子ドット構造は、先端電子材料として期待されている。特に自己形成InAsドットは、詳しく調べられ、レーザや光検出器などへの応用も注目すべき展開を見せている。本研究では、ドットの新たな可能性を切り拓くために、GaSbやAlGaSb系のドットとその関連構造について、形成法および電子物性や光学物性を調べ、電子や正孔の準位を制御することを目指している。本年は分子線エピタキシー(MBE)法により、GaSbドットをGaAs基板上に形成する技術を系統的に調べ、良質なドットを得る条件を明らかにした。また、得られたドットを堺め込んだ構造のアニール特性を調べ、形状の安定性に関する知見を得た。さらに、共同研究者の協力を得て、通常の成長条件と異なる成長法も試み、円環状の量子リング構造が得られることも見出した。 得られたGaSb量子ドット構造について、蛍光特性を調べ、GaSbの濡れ層とドットの双方から明瞭な蛍光発光の得られることを見出した。特に、濡れ層の発光は、1.4eVから1.3eV付近に位置し、正孔が深い閉じ込めを受けることが示された。また、ドットからの発光は、1.0から1.1eV付近に位置し、電子がドット外に留まるタイプII型の状態の関与する発光であることを確認した。さらに、量子リング構造からも特異な発光の得られることを見出し、正孔のみがリング内に留まる独特な状況となっているとの知見を得た。さらに、GaSbドットをGaAs/AlGaAs系の選択ドープHEMT構造の伝導チャネル内に埋め込んだ一連のFET素子を作り、電子がタイプII型のGaSbドットの作る斥力ポテンシャルによってどのように散乱されるかについても知見を得つつある。
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