研究概要 |
本研究の主目的は、日本古代・中世歴史用語・歴史語彙の英語への翻訳基準の設定、欧米における前近代日本学研究関連文献に見られる歴史用語・語彙の翻訳状況に関する情報収集・検討、およびそれらの電子情報化などによって日本史研究の一層の国際化を目指すことである。本年度は、以下の研究に従事した。 1.日本古代・中世歴史用語・歴史語彙の英語への翻訳基準の研究 日本古代・中世史関係用語グロッサリーのデータベース作成を行った。既存の研究書にあるグロッサリー・インデックス等から抽出したもの、約22,000項目の入力・編集を行った。このデータベースは、現在史料編纂所のホームページを通じて公開されており、今後も、日本史用語の語彙リスト自動抽出プログラムを作成するという目的にそって、データベースをより完全なものにしていくことに努める。 2.欧米における前近代日本学研究関連文献に見られる歴史用語・語彙の翻訳状況に関する情報収集 米国UCLA、南カリフォルニア大学、およびAssociation of Asian Studies 2004年大会において、アメリカ日本学研究における前近代史・思想史用語・語彙の英語への翻訳状況について、意見交換をすることによって、より具体的なデータベース作成作業のための方針を立てることができた。 3.日本前近代史料の国際的情報化の研究 平成15年7月に開かれた国際研究集会で、出席した多くの研究者とグロッサリーの作成、歴史用語翻訳基準の設定や電子情報化に関する意見を交換した。 また、鎌倉時代における鎌倉武士団の軍事的な文化、特に騎射・笠懸・流鏑馬・犬追物などの形成に関する副研究を行い、現在、それらの研究成果をまとめた論文を執筆中である。この課題は、次年度に展開したい。
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