研究概要 |
本研究においては、以下の2項目について検討を進めた。 ・[M(mnt)_2]^-(M=Ni,Pd,Pt)をビルディングブロックとする分子磁性物質に関する研究 a)[Pd(mnt)_2]^-のbenzylpyridinium塩を新たに4種類合成し、その構造と物性を明らかにした。Ni塩、Pt塩とは異なり、磁気的な相転移を観察することはできなかった。結晶内で、[Pd(mnt)_2]^-は強い反強磁性的な相互作用を有するダイマーを形成していることが判明した。 b)ベンジル基にフッ素を導入した[Pt(mnt)_2]^-塩を合成し、結晶多形を観察した。 c)ベンジル基にヨウ素を導入した[Ni(mnt)_2]^-塩を合成し、その構造を明らかにすると共に、磁気物性を詳細に検討した。その結果、100K付近で磁気転移を伴う構造相転移を観察した。現在、この磁気相転移の機序を明らかにすべく検討を進めている。 d)HDBCOをカウンターカチオンとする[Ni(mnt)_2]^-塩を合成し、構造と磁気物性を検討した。その結果、ヒステリシスを伴う磁気転移が観察された。 e)ベンジル基にヨウ素を導入した[Ni(mnt)_2]^-塩における磁気相転移の圧力依存性を検討し、圧力により相転移温度が大きく変化することを見いだした。 また、以上の研究成果は国際会議で発表し、学会誌に投稿した。 ・(PhNH_3)([18]crown-6)[Ni(dmit)_2]塩のホールドーピングに関する研究 (PhNH_3)([18]crown-6)[Ni(dmit)_2]中のアニリニウムイオンの一部をアニリンに置換することで、([18]crown-6)[Ni(dmit)_2]が形成するスピンラダーへのホールドーピングを試みた。種々の条件でサンプルの作製を試みた。
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