研究課題/領域番号 |
03F03281
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
尾崎 幸洋 関西学院大学, 理工学部, 教授
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研究分担者 |
ZHANG Jian Ming 関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ラマン分光法 / 表面増強ラマン散乱 / 超高感度分析 / 酵素イムノアッセイ / ポリマー / 銀ナノ粒子 |
研究概要 |
今年度は二次元金属、ナノロッドアレイ法による超高感度表面増強ラマン散乱法(SERS)の開発の一環として単一銀ナノ粒子系のSERSについて研究した。銀ナノ粒子は表面プラズモン共鳴(SPR)が最も効率よく起き、SERS基質として適している。使用する分子は励起光波長が共鳴波長域にあるローダミン6G (R6G)を濃度3.4×10^<-8>Mで用いた。銀ナノ分子分散液とR6G水溶液をNaCl濃度10mM下で混合することでR6G分子を銀ナノ粒子に吸着させ、SERS活性な銀ナノ粒子分散液を作製した。この銀ナノ粒子分散液をスピンコート法によりガラス基板上に分散し、単一分子測定を行った。本研究から次のような結論が得られた。単一銀ナノ凝集体を用いた実験により得られたSPRとSERSとの関係から、銀ナノ凝集体に吸着した分子が高強度電場と電磁相互作用したときSERSを発現することが強く示唆された。これらの結果は励起光の波長、偏光、SPRバンドを制御することでSERSを用いた分子検出を最適化できることを示している。 前述のSERS法の技術をポリマー表面の研究に応用した。うすいポリマー層のマイクロ構造の研究やペプチドの自動的輸送のためのポリマーデバイスのマイクロ構造の構築などはこれまでに活発に研究されてきている。最近、筆者らはアイソタクティックポリスチレン(iPS)の薄膜球晶中にバンド状の構造を見い出した。ポリマー鎖の軸はフィルム面に対して均一に垂直であるが、フェニル環の空気/ポリマー界面の配向についてはいまだ明らかになっていない。そこで我々はSERSを用いてiPSの表面構造を調べることとした。SERS測定用の試料は1.0wt%iPS-キシレン溶液をガラススライド上または金をコートしたガラス上にスピンコートしたものを用いた。この上に銀の薄膜をコートしたもののSERSスペクトルを514.5nmなどいくつかの励起光を用いて測定した。スペクトルは得られたが現在のところ十分なSN比が得られておらず試料作りを再検討している。
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