研究課題/領域番号 |
03J00762
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
砂田 祐輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ニトロゲナーゼ / P-Cluster / 金属酵素 / [8Fe-7S]クラスター / 電子伝達 / チオラート |
研究概要 |
ニトロゲナーゼ内に存在する金属酵素P-Clusterのモデル錯体の構築として、我々が既に合成に成功しているP-Clusterと極めて類似の骨格を有する[8Fe-7S]クラスターである[{N(SiMe_3)_2}{SC(NMe_2)_2}Fe_4S_3]_2(μ_6-S){μ-N(SiMe_3)}_2(1)を出発原料として用い、その配位子交換反応により、天然に存在するP-Clusterにより骨格の近いクラスターの構築を目指した。すなわち、クラスター(1)は、その中心骨格は天然のものとよく一致しているが、2つの鉄上に中性配位子であるテトラメチルチオウレアを有しており、アニオン性硫黄ドナーであるシステインを有する天然のクラスターと比べると明らかに異なっているため、この部位をアニオン性硫黄ドナーへと置換し、より完成度の高いモデルクラスターの構築を試みた。種々条件を検討した結果、錯体(1)と様々なチオラート塩を低温下、フルオロベンゼン中で穏やかに反応させることにより、目的とするジアニオンのクラスターを単離、同定することに成功し、X線構造解析による構造決定を行った。このクラスターは、現在知られているFe-Sクラスターにおいて、P-Clusterのモデル錯体として最も完成度の高いものである。また、得られたクラスターの電気化学的特性について検討すべく、Cyclic Voltammetryを測定した結果、二段階の可逆な一電子酸化還元過程が見られた。天然のP-Clusterは、蛋白内において電子伝達を司ると考えられているが、本結果はその機能を無機化学的に証明したものであり、意義深いと言える。
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