研究課題/領域番号 |
03J00847
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
腰塚 哲朗 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | HSV / 小胞輸送 / envelopment / vesicle transport |
研究概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)のコードするUL56遺伝子産物は、C末端アンカー型膜タンパク質である。UL56はゴルジ体、Early endosomeなどの脂質膜構造に局在し、その一部はラフト上に存在していることを明らかにしてきた。本研究はUL56タンパク質と相互作用するパートナーを同定し、UL56の機能を予測・解析することを目的とした。本研究により、宿主側因子のKIF1A、ウイルス側因子のUL11がUL56のパートナーであることが明らかとなった。 KIF1Aは神経細胞特異的に発現しているKinesinの一つであり、C末端部分に脂質と相互作用するPH domainを持ち、presynaptic vesicleの輸送に関わっていることが報告されている。Yeast two-hybrid法、GST-pulldown法、蛍光抗体法を用い、KIF1AがUL56と相互作用していることを示した。UL56は神経細胞内においてKIF1Aのレセプターとして細胞質小胞上に存在し、ウイルス糖タンパク質などの軸索内輸送に関わっている可能性が示唆された。この結果は2005年5月号のJ.Gen.Virol.に掲載予定である。 UL11遺伝子はヘルペスウイルスに保存されている遺伝子である。UL11はN末端部分においてミリスチン酸化、パルミチン酸化を受ける膜タンパク質である。HSVにおいてUL11はHSVのエンベロープ獲得に重要であり、この欠損は粒子形成を著しく減弱することが報告されている。GST-pulldown法、免疫沈降法、蛍光抗体法を用い、UL56とUL11がタンパク質複合体を形成していることを明らかにした。この複合体形成にはUL11のN末端部分が必要であり、特に脂質付加が重要であることが分かった。UL56の欠損はHSVの増殖に大きな影響を与えないが、以上の結果からUL56がHSVの粒子形成、特にエンベロープ獲得に重要な働きを担っている可能性が示唆された。この結果は現在論文投稿準備中である。
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