• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

イスラーム世界における奴隷エリートの研究-マイノリティー・ネットワークの視座から

研究課題

研究課題/領域番号 03J01446
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 東洋史
研究機関北海道大学 (2004)
(財)東洋文庫 (2003)

研究代表者

前田 弘毅  北海道大学, スラブ研究センター, 講師 (90374701)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード奴隷 / エリート / マイノリティー / イスラーム / コーカサス / グルジア / サファヴィー朝イラン / 異人 / イスラーム世界 / 奴隷エリート / サファヴィー朝 / イラン / ネットワーク社会 / ナショナリズム
研究概要

平成16年度には、近年イギリスで発見されたペルシア語史料『歴史の精華』第三巻の分析に取り組み、その史料価値について検討を行った。そして、その成果を「『歴史の精華』第三巻にみるサファヴィー朝の政治文化に関する予備的考察」『アジア・アフリカ言語文化研究』68,2004年,pp193-213として発表した。ここでは、史料の特徴として(1)家族関係に関する記述(2)王族に関する記述(3)行政・外交に関する記述(4)コーカサス情報の4点について得に優れた史料価値があることを明らかとした。さらに、この史料の最大の特徴であるコーカサス情報を利用してサファヴィー朝イランの対コーカサス政策について詳細に検討し、「シャー・アッバース一世の対カフカス政策-「異人」登用の実像」『史学雑誌』113編第9号,2004年,pp.1-37にまとめた。この論考では、「異人」をキーワードとして、サファヴィー朝宮廷における新要素としてのコーカサス系エリートが台頭する過程が、王朝の対コーカサス政策と結びついていたこと、その過程に新エリート自身が深く関与していたことを明らかとした。すなわち、王朝の対コーカサス政策は単なる辺境政策ではなく、中央宮廷内のパワーバランス再編を含んだ帝国権力の支配空間秩序の再編であったのである。この成果により、既存のイスラーム史の枠や国民史観を超えて、相互変容による「奴隷軍人」像の新たな理解を示すことができたと考えている。また、強制移住の問題をはじめ、従来扱われてこなかった領域についても今後の研究の基礎となる成果を得ることができた。このほか、スラブ研究センター冬季シンポジウム、日本スラブ東欧学会やロシア史研究会といったロシア・東欧研究の場で発表・コメントを行うことにより、中東研究の領域だけでなく、広くユーラシア世界全域を意識して研究の発展と成果の還元に努めた。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 文献書誌 (2件)

  • [雑誌論文] シャー・アッバース一世の対カフカス政策-「異人」登用の実像2004

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 雑誌名

      史学雑誌 113・9

      ページ: 1-37

    • NAID

      110002366234

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 『歴史の精華』第三巻にみるサファヴィー朝の政治文化に関する予備的考察2004

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 雑誌名

      アジア・アフリカ言語文化研究 68

      ページ: 193-213

    • NAID

      120000991577

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] コーカサス展望2003-グルジアを中心に2004

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 雑誌名

      ACF講座講演集・中央アジアを知る 5

      ページ: 27-46

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] イランとカフカス、日本を結ぶミッシングリンク-アルボルズとエルブルース2004

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 雑誌名

      イランを知るための65章(岡田恵美子、 北原圭一、鈴木珠里編)

      ページ: 259-262

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 「グルジア村」の発見2004

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 雑誌名

      イランを知るための65章(岡田恵美子、北原圭一、 鈴木珠里編)

      ページ: 263-267

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 前田弘毅: "グルジア・ナショナリズムの源流:17世紀叙事詩 『テイムラズとルスタヴェリの対話』の意味すること"スラブ・ユーラシア世界における国家とエスニシティ. II. 37-44 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Hirotake MAEDA: "On the Ethno-Social Background of Four Gholam Families from Georgia in Safavid Iran"Studia Iranica. 32. 243-278 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

URL: 

公開日: 2003-04-01   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi