研究概要 |
1.聴覚環境における心理的不快感と脳磁図に関する研究では,帯域ノイズを用いその帯域幅を変化させたときの,心理的不快感とそれに関連する脳磁界反応を測定した,その結果,帯域ノイズの自己相関関数から抽出されるファクターと心理反応との間に対応関係が見られ,心理的不快感と脳磁図のα波帯域の自己相関関数の有効継続時間,相互相関関数の最大値の間に逆相関関係が見られた.これらの成果をまとめて,Journal of Sound and VibrationやJournal Acoustical Society of Americaに投稿した. 2.基本的な聴覚刺激に対する脳磁界反応に関する研究では,音源信号として帯域ノイズを用い,自己相関関数のファクターや相互相関関数のファクターを変化させ,脳磁界反応を計測した.その結果,刺激の入力後約100ms後に見られる,N1m反応の振幅が刺激の自己相関・相互相関関数のファクターと対応することを明らかにした.しかし,反応部位は.刺激の自己相関・相互相関関数のファクターに関わらずほぼ同じ位置であった.これらの成果をまとめて,アメリカ音響学会,国際生体磁気学会,日本生体磁気学会等で発表し,Hearing Researchに投稿した. 3.視覚環境におけるプリファレンスに関する研究では,これまで周期的に点滅する刺激に関しては,約1秒周期が心理的に最も好ましいことが明らかにされている,そごで,複数の周波数を含みその量をコントロールすることにより,揺らぎのある刺激を作成した.具体的には,中心周波数1Hzの帯域ノイズの帯域幅を変化させ,一対比較法により心理的な好ましさを求めた.その結果,帯域幅約2〜4Hzが心理的に最も好ましいことを明らかにした.これらの成果をまとめて,Perceptionに投稿した.
|