研究課題/領域番号 |
03J01667
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
園木 和典 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Phytoremediation / Laccase / Lignin Peroxidase |
研究概要 |
本研究においては、広く拡散した汚染土壌・低濃度に分布した汚染土壌への生物機能を用いた環境汚染物質分解システムの構築を目指した。地球生態系には多様な土壌微生物の分解代謝系により様々な有機化合物が無機化される炭素循環系が存在する。環境汚染物質の分解を考えた場合、自然界に本来備わった分解能力を強化することによる環境修復が最も望まれる。これまでに環境汚染物質分解能力を有する微生物の研究が行われ一定の成果をあげている。しかし、これまでの技術は環境汚染物質が拡散している広範囲の土壌環境に対しては長期間特定の分解微生物を優勢に維持することが必要である。 そこで平成15年度はまず、環境汚染物質に対し幅広い分解機能を示す木材腐朽菌のLaccase(Lac)、Lignin Peroxidase(Lip)に着目し、これらの酵素機能を遺伝子組み換え技術を用いて、独立栄養的に生育する植物への導入と機能発現について取り組んだ。 1、Lac形質転換体の作出と機能解析 担子菌Coriolus versicolor IFO1030株よりLaccaseをコードするcvL3遺伝子cDNAをRT-PCR法により獲得した。得られたcvL3cDNAをAgrobacteruim tumefaciense LBA4404株を媒介したLeaf-disk法を用いてNicotiana tabacum Sumsun NN株を形質転換した。PCR法により遺伝子の導入が確認された形質転換タバコをMS培地で2ヶ月生育させ、Lac形質転換体20個体の根の粗酵素液を調整し、活性染色を行った結果、9個体の形質転換体それぞれの根粗酵素液において、Lac活性が検出された。これら9系統のLac形質転換体を水耕栽培し、根からのLac分泌能を検討した結果、全ての個体おいて、遺伝子組み換え技術により導入した微生物機能が植物により根圏部に分泌生産されていることが明らかとなった。 2、LiP形質転換体の作出と機能解析 担子菌C.versicolor IFO1030株よりLignin PeroxidaseをコードするcvLip遺伝子cDNAをRT-PCR法により獲得した。得られたcvLip cDNAを1と同様の方法で、N.tabacum Sumsun NN株に導入した。PCR法によりcvLip遺伝子の導入は全ての形質転換タバコで確認されたが、生育阻害を示す形質転換体が複数存在した。得られたLip形質転換タバコの中で、野生株と同等の生育を示す8個体の根からtotal RNAを調整し、cvLip cDNAの発現量を調べた結果、全ての個体おいて同等のcvLip cDNAの発現が確認された。
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