配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
数論的L関数の解析的研究のうち、値分布やVoroninによってはじまった普遍性定理に関する研究を私は計画していたが、それに関して、今年度では大きく分けて次の三つの成果を得ることが出来た。 まず一つ目は、去年度に見正秀彦氏との共同研究で得られていたもので、SL(2,Z)のHecke合同部分群の保型形式f, gに付随するRankin-Selberg L関数L(s, f, g)に対してgは固定してfを動かしたときの普遍性についての論文をまとめたことである。 二つ目は、Dirichlet L関数のある族のs=1での値に対してすべてのモーメントの漸近式を得たことである。また、その途中で、あるL関数の族の零点密度定理などを構築した。そして、その漸近式の応用として、素判別式を持つ虚二次体の類数に対して、素判別式を算術級数中で走らせたときの、算術級数中の素数定理の類似を証明することが出来た。その証明には、確率論、関数解析の知識なども用いられた。 三つ目であるが、SL(2,Z)の保型形式達fに付随する対称二乗L関数の族に対してfに関する普遍性を得ることが出来た。この証明には、以前に私によって得られていたある保型L関数の族の普遍性定理の証明が役に立った。また、得られたその結果を使って、対称二乗L関数の値分布やその導関数の零点分布の話に応用することもできた。これらは見正秀彦氏との共同研究で行われた。
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