研究課題/領域番号 |
03J03732
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大前 邦途 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | GaN / ピエゾ分極 / M面 / 量子井戸 / 窒化物半導体 / レーザアブレーション / フォトルミネセンス / インジウム組成の不均一性 / 過渡吸収分光法 / ナノ微粒子 / パワー照明 |
研究概要 |
本年度は、平成16年4月1日から平成17年3月31日までの一年間ドイツ連邦共和国 ポール・ドルーデ研究所において、M面GaNの光物性に関する研究に従事している。 M面GaNの大きな特徴の一つは、M面は無極性面であるために、従来のC面GaNで大きな問題となっていた自発・ピエゾ分極による内部電界を無視できることにある。実際のデバイスにおいては、井戸内に大きな電界が存在すると量子井戸に注入された電子と正孔が空間的に分離するために発光効率の低下をまねく。M面GaNは無極性面であるためにこの効果を無視でき発光効率の向上が期待される。我々の研究では、M面GaNをrfプラズマmolecular beam epitaxyを用いてLiA102上に成長している。LiA102上のM面GaNは、面内に異方性のある圧縮歪みをもつ。その結果、価電子帯のトップの2つのバンドのエネルギー差がc面GaN(7meV)に比べてM面GaN(50meV)では大きくなることを明らかにした。このような大きな価電子帯のエネルギー差はレーザダイオードにおいて反転分布を作製するためのキャリア密度の低減につながると考えられる。 さらに、M面GaNは面内に大きな光学的異方性をもち、これが透過型の偏光フィルターとして使えることに着目して実験を行った。これは、M面GaNでは、ある波長域(約360nm)でa軸に平行な光だけを吸収することを利用している。その結果、最大40度の偏光面の回転が観測された。さらに、この回転角を光励起したキャリアによって制御するためにPump&Probeの実験系を立ち上げ測定を行った。その結果、光励起しない場合40度で合った回転角が光励起により5度まで低減されることを観測した。また、Pump光の強度およびPump光とProbe光の時間遅れを制御することにより40度から5度まで連続的に変化させることができることも示した。
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