研究課題/領域番号 |
03J03851
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
倫理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
會澤 久仁子 大阪大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ヒューム / 他者 / 自己 / 倫理学 / ケア / 哲学 / 介護 |
研究概要 |
米国ミシガン大学哲学部で9か月間にわたり訪問研究を行い、いくつかの成果を得た。まず、ヒュームのケア論の基礎となる自己観念を解釈する過程で、この観念の形成には他者の存在・在り方が先行し、他者の働きかけが不可欠であるはずだとの知見を得るに至った。だが、この知見をヒュームの経験論的哲学・倫理学に組み込んで整合的な解釈を進めること、また他者の働きかけとはより精確にはどのようなものかを明らかにすることについては、さらに研究が必要である。そこで関連のヒューム解釈についてさらに分析を進めている。また自己にとっての他者の先行性については、アドバイザーであるスティーブン・ダーウォル教授の、「第二人称的観点」を軸とするケア・規範倫理学の研究にも重なり、ダーウォル教授のセミナーにて、第二人称他者の働きかけ(共感やケア、道徳感情)と規範・正義との関連について、ヒューム倫理学のみに止まらず考察を深めている途上である。加えて、ルイース・ロエブ教授のヒューム認識論の講義でも、ヒュームの自己観念に関する現代倫理学的解釈について情報を得た。さらにケア倫理学に関連して、日本で研究が進んでいないフェミニスト哲学を、エリザベス・アンダーソン教授より特に認識論について体系的に教わる機会も得た。訪問研究のおかげで、研究テーマを中心にヒューム解釈と現代倫理学の議論について知見を深め、貴重なまた重要な文献を多数収集できたことは成果であった。
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