研究課題/領域番号 |
03J04180
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
榊原 修平 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | ヘルペスウイルス / エピジェネティクス / 転写 / ヘテロクロマチン / インスレーター / KSHV / 潜伏感染 / SUV39H1 / HP1 / Transgenic mice / 蛋白質X線結晶解析 |
研究概要 |
カポシ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)の潜伏感染におけるウイルス遺伝子の発現は著しく低下しており、その分子機構を解明することを目的に研究を行ってきた。KSHV潜伏感染細胞株BC3において発現が認められるウイルス遺伝子はLANA(Latency associated nuclear antigen)およびvCYCとvFLIPに限定される。特にLANAはウイルスエピゾームの維持に必須であり、また、vFLIPによるNFkBの活性化がこの細胞の増殖を可能にしていることが報告されている。それ以外のおよそ80種類あまりのウイルス遺伝子はこの細胞内で発現しないが、それがLANAによってリクルートされるヒストンメチル化酵素SUV39H1によることを示唆する研究結果を得た。In vitroでのLANAとSUV39H1のタンパク質間結合や、細胞内における結合をpull-down assayやchromatin immunoprecipitationで証明した。さらに、KSHV再活性化の鍵となるRTA遺伝子(ORF50)の発現制御領域にHP1(heterochrgmatin protein)が結合していることから、ウイルスゲノムにおけるエピジェネティックな遺伝子発現制御が潜伏感染の維持に必要となってくると考えられた。 しかし、上記の結果からはLANAの発現を維持するメカニズムの説明ができず、さらにLANAの発現調節について詳しく研究を進めた。その結果から(1)隣接したORFK14上にDNase I高感受性領域が存在すること、(2)その領域はLANAの発現を正に制御するがK14やORF74の発現にはほとんど影響を与えないこと、(3)その領域を境にアセチル化ヒストンH3が集積していること、(4)DNaseI高感受性領域から約1kbp離れたところにエンハンサーブロック活性を有する領域が存在することが明らかとなった。当研究が将来的にKSHV潜伏感染に必要な因子の発見へと発展すると幸いである。 研究成果については、Journal of Virologyに投稿し、さらに、日本ウイルス学会およびInternational Workshop on KSHV and Related Agentsで発表した。
|