研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、ポルトガル植民地支配を経験したインド・ゴア州におけるコーンクニー語言語ナショナリズムの日常的実践について明らかにするため、以下の2点に焦点を絞り研究活動を行った。(1)現地語コーンクニー語によるゴアのカトリック教徒の大衆劇ティアトルの実践(2)ゴア州発行の新聞・雑誌上で使用される言語と、それらのテキストを受容するコミュニティのアイデンティティとの関連本年度前半は、平成15年度に収集したデータ分析と現地調査に向けて先行研究のレビューを行った。特にティアトルの受容に関しては、コーンクニー語の歌謡カンタールのCD・カセットテープによる普及が大きな役割を果たしているため、ポピュラー・カルチャー関連の文献収集に務めた。その成果の一部を以下の学会で発表した。・「書き言葉か、話し言葉か:インド・ゴアにおけるコーンクニー語を事例として」(6月5日 日本文化人類学会第38回研究大会、東京外国語大学)・「宗教アイデンティテイと言語のポリティクス:インド・ゴア州の印刷メディアをめぐって」(10月2日 日本南アジア学会第17回研究大会、一橋大学)11月〜12月にかけて、ムンバイとゴアにおける約3週間の現地調査を行い、ティアトル公演に関わる人々へのインタビューを行い、CD、カセットテープ、ビデオCDを収集した。また、ゴア州発行の新聞・雑誌の調査のためにコーンクニー語雑誌編集長や新聞・雑誌店舗のオーナーたちへのインタビューを行った。更に、ゴアのキリスト教徒のアイデンティティについて知見を深めるため、聖フランシスコ・ザビエルの聖遺体公開(10年に一度開催)の参与観察を行った。平成17年1月〜3月にかけては、現地調査で収集したインタビューのデータ、画像データの整理を行った。
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