研究概要 |
2次錐計画法や半正定値計画法などの新しい数理計画法の枠組みを用い,種々の不連続性や非線形性を有する構造物の解析法に関する下記の内容の研究を行った. 1.膜に対するトータルポテンシャルエネルギー最小化問題を,有限変形の仮定の下で,無限個の半正定値制約を持つ凸計画問題に帰着した.また,この問題を離散化し,主双対内点法を用いて解くことで,膜の合形状を求める手法を提案した. 2.ケーブルと剛体との接触問題に対し,有限変形の仮定の下で,2次錐を制約とした相補性問題を定式化した.また、ケーブルどうしの接触問題に対しても,同様の定式化を提案した. 3.上記2.の相補性問題と等価な数理計画問題を定式化し,この問題を解くことでケーブルの接触問題における釣合形状を求める手法を提案した.コンピュータを用いて数値実験を行うことで,提案手法の有効性を検証した. 4.3次元空間におけるCoulomb摩擦則を考慮した片側接触問題を,2次錐線形相補性問題として定式化し,これを解くことで準静的な接触問題における釣合形状を求める手法を提案した. 5.上記4.の定式化に対し,2次錐の自己双対性を用いたFenchel双対問題を定義することで,既往の定式化との比較を行った. 6.幾何学的非線形性を厳密に考慮した下で,1次元連続体としてのケーブルのトータルポテンシャルエネルギー最小化問題を,無限個の2次錐制約を持つ凸計画問題として定式化した.
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