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荘園制における「替(かわし)」取引と銭貨流通

研究課題

研究課題/領域番号 03J05430
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 日本史
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 啓介  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード割符 / 替銭 / 為替取引 / 中世手形文書 / 紙幣 / 貨幣 / 唐宋の手形 / 為替手形 / 手形の起源 / 中世の決済システム / 渡来銭 / 替・替銭 / 為替 / 貨幣経済
研究概要

本年度は、替銭取引における割符の果たす機能について次のことを明らかにした。
(1)割符は替銭取引において替銭の正しい受取人をしめす手形として機能する。割符と引換えに替銭を支払ったのなら、受取人が本来依頼人が意図した相手でなくとも、支払人は免責される。
(2)債権それ自体と、その受け渡しを表象する。
(3)送金為替を「割符を上す、進らす」といい「替わす」といわないのは、「割符を替わす」といった場合、「割符を支払人に呈示して、替銭を受け取る行為を依頼する」取引を示し、送金と意味が変わってくるからである。
(4)割符の出現の結果、割符を紛失した場合、受取人・依頼人ともに替銭を受け取れないというリスクが発生する。そのようなリスクが許容された理由は、為替取引それ自体のもつ「同時性の困難」のために割符が必要とされたからである。
そもそも為替取引とは、「隔地間の逆方向の送金関係を、現金輸送を伴うことなしに同一地域内の代金決済に振り替えて行うこと」であり、実際の為替取引においては、同時に同じ金額の取引相手を見つけるという困難が常に伴っている。債権受け渡しを表象する割符の出現により、割符発行時に受取人を固定しないですみ、同時に取引相手をみつける、という困難から替銭は解放される。
そして、割符が十貫文に定額化した理由も同様に、同額の取引相手を見つける、という困難を解決するためと考えられるのである。確かに世界最初の紙幣とされる宋の交鈔等は手形文書から発展した。だが、割符の定額化の理由と、その流通の様相をみるかぎり、割符という中世手形文書を、貨幣の代用物と考えるのは難しいといえるだろう。
なお、上記のほか過去の成果の一部を学会誌に投稿し、掲載許可を得た。詳細は11ご参照。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 割符のしくみと為替・流通・金融2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤啓介
    • 雑誌名

      史林 3(予定)(未定)

    • NAID

      120006598348

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2024-03-26  

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