研究課題/領域番号 |
03J06199
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
奈良 勝司 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 世界認識体系 / 徳川政権の性格規定 / 西洋列強諸国の対日政策 / 抽象的「外圧」論 / 奉勅攘夷体制 / 情報伝達 / 徳川将軍家政権の性格規定 / 横浜鎖港問題 / 将軍進発問題 / 情報の流れ / 欧米諸国の動向 |
研究概要 |
明治維新における世界認識体系の変遷を解明するため、以下の諸作業を行った。 徳川政権や西南雄藩などの国内勢力の諸認識・動向を相対化、批判的に検討する作業の一環として、鵜飼正志著『幕末維新期の外交と貿易』の書評を行った。当該期の西洋列強諸国の対日政策の実態が多くの国内勢力の主観とかけはなれていたことを紹介すると共に、そうした認識の上に成り立っている研究史の抽象的「外圧」論を批判し、幕末維新期の国際的環境・国内政治を論じる上での課題を提示した。成果は『日本史研究』503号に掲載した。 文久三年に成立した奉勅攘夷体制において、朝廷配下の攘夷の実行機関と位置づけられた徳川政権が直面した、自己の性格規定の問題について検討した。当時政権がアイデンティティの危機に陥り、その内部に複数の政治潮流が誕生、最終的に横浜鎖港路線の成立につながったことを指摘し、幕末の徳川政権がもはや近世以来の旧体制とは異なる、主体的な独自の政治集団となっていたことを明らかにした。成果は『日本史研究』507号に掲載した。 また、奉勅攘夷体制下における一橋慶喜の動向の分析を通して、幕末の攘夷論が天皇認識と密接に絡むものであり、単純にそのまま「鎖国」や「開国」などの対外観と同一視できるものではないことを明らかにした。成果は『「日本型社会」論の射程』に収録予定である。また、幕末の徳川政権が最も保守化・反動化したとされる将軍進発要請期の江戸幕閣の動向を再検討し、実際には進発推進派が反対派と抗争を繰り広げ、情報戦の様相を呈していたこと、そのため周囲に実情が十分に認知されず「一括りの保守勢力」というパブリックイメージが形成され、研究史にも影響を及ぼしたたことを明らかにした。成果は『明治維新期の政治文化』に収録予定である。
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