研究課題/領域番号 |
03J06666
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山根 宏之 千葉大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 光電子分光法 / 有機半導体 / 有機デバイス / 有機薄膜 / 表面・界面 / 有機薄膜界面 |
研究概要 |
(1)現有装置の改良・調整 千葉大学設置の高分解能電子分光装置:HRPESの改良と調整を行った。これにより全装置分解能〜20meVを達成し、下記の実験を行うことが可能となった。 (2)ペンタセン超薄膜のホール-分子振動カップリング 有機デバイスの多くは有機薄膜中の電荷移動や分子のイオン化によってデバイスとしての機能が発現する。有機薄膜中の電荷輸送はイオン化の基底状態と励起状態における電子の自己交換反応:電荷ホッピングで説明でき、電荷と振動モードの相互作用:振動カップリングについて理解することが重要である。特に紫外光電子スペクトル(UPS)から求められる再配向エネルギーは電荷移動度や超伝導温度に重要な役割を果たす。このような背景から、高いホール移動度を示すペンタセンや有機超伝導で重要なC_<60>の気相分子に対するUPSに基づいて振動カップリングに関する議論が行われている。しかし有機薄膜中の電荷輸送機構を正確に理解するためには、隣接分子の分極による電荷の緩和過程など固体特有の現象も考えなければいけない。 このような背景のもと、本研究ではグラファイト基板上におけるペンタセン単分子膜の作製法を確立し、HOMOホール-分子振動カップリングに由来する微細構造を検出することに成功した。得られた結果は孤立分子と薄膜における振動カップリングの違いを明瞭に示すものであり、現在、Phys.Rev.Lett.誌への投稿準備中である。 また、上記実験に関連して極低温領域におけるペンタセン単分子膜のUPSの温度依存性を検出した。得られた結果は120〜140Kの領域で温度に依存して薄膜構造が徐々に変化することを示している。今後は室温および極低温領域におけるペンタセンの薄膜構造を定量的に決定するため、放射光を利用した角度分解UPS実験を行うことを計画している。
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