研究課題/領域番号 |
03J07200
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 信也 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シガトキシン / シガテラ中毒 / 人工合成抗原 / 抗シガトキシン抗体 / モノクローナル抗体 / ELISA |
研究概要 |
シガトキシン類は、珊瑚礁海域の魚介類の摂取によって引き起こされる食中毒シガテラの主要原因毒である。シガテラ中毒患者は毎年2万人以上発生している世界最大規模の食中毒である。シガトキシン類は天然から非常に微量しか採集できないため、毒性発現機構解明や中毒予防法開発の研究は立ち後れている。私は、化学合成によるシガトキシン類の供給と、抗体調製による毒魚検定法の開発を目指し、研究を開始した。 まず、既知法によってCTX3CのABCD環を合成した。続いて、私が最適化した方法によりA環側鎖を導入しシガトキシン型ABCD環へと変換した、これを、リンカーを介してキャリアー蛋白質と連結して、抗体調製用ABCD抗原を合成できた。また、当研究室で合成されたシガトキシンおよびCTX3CのHIJKLM環をそれぞれ同様にキャリアー蛋白質と連結して抗原を合成した。これらの抗原を用いて、抗体の調製を検討中である。 また、当研究室は、CTX3CのABCDE環およびIJKLM環を有する抗原から調製した2種のモノクローナル抗体を用いて、CTX3C検出用ELISAキットを開発した。私は、この検出キットのCTX3Cに代わる陽性コントロール試薬として、CTX3CのABCD環とIJKLM環を両方有する蛋白質コンジュゲートを合成した。このコンジュゲートのマウス急性毒性は極めて低かった(>38mg/kg)。また、上記ELISA法による検出試験で陽性を示し、その検出限界は約5ng/mLであった。従って、安全かつ高感度な陽性コントロール試薬を調製できた。 続いて、実際の毒魚からのCTX3C検出への応用を目指し、モデル実験として魚の切り身に予めCTX3Cを混入した試料からの抽出・検出試験を行った。その結果、抽出物をメタノール溶液としたときに感度よく検出できた。これにより、シガテラ毒魚からのCTX3Cを検出できる可能性が示されたと言える。
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