研究課題/領域番号 |
03J08219
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 (2004) 広島大学 (2003) |
研究代表者 |
原田 潤平 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 超時空 / グラスマン座標 / 超対称性 / 時空対称性 / 大統一理論 / ハイパーチャージ対称性 |
研究概要 |
宇宙に存在する物質の基本的粒子であるクォークとレプトンの世代構造を解明することは、素粒子物理学における最重要課題の一つである。素粒子物理学の標準理論では、実験から分かっているクォークとレプトンの世代構造を矛盾なく説明できるものの、それらは理論からは決まらないフリーパラメータで表される。そこでクォークとレプトンの世代構造を解明するには、標準理論を超えたより基本的な理論を考えなければならない。そのような理論として、超対称大統一理論が有望であると考えられている。超対称大統一理論では、標準理論の三つのゲージ対称性が一つのゲージ対称性に統一されるため、世代構造にある種の制限がつくからである。ただし、大統一理論ではクォークの世代構造についてはある程度理解できるものの、レプトンの世代構造を理解するのは、一般には困難である。ところで、大統一理論のアイデアが実際に実験と矛盾しないためには、ボソンとフェルミオンの間の対称性である超対称性が必要不可欠である。超対称性は、通常のベクトル時空座標にグラスマン座標を加えた超時空における時空の対称性として理解できる。このように、素粒子物理学を理解するにあたって、超時空における時空の対称性が果たす役割は非常に大きい。そこで、私は超時空における可能な時空の対称性が超対称性の他にもないか調べた。研究の結果、超時空における新しい回転対称性が可能であることが分かった。その新しい回転対称性は、グラスマン座標における時空の対称性であり、通常のベクトル座標における対称性ではない。また、この回転対称性は、新しいローレンツベクトル生成子によって引き起こされる回転の下での対称性である。さらに、超時空における新しい回転対称性は、通常のローレンツ対称性と一つの対称性に自然に統一される。したがって、宇宙が超高エネルギースケール、すなわち、超短距離でこの統一された回転対称性を持っていれば、そのような短距離スケールでは、それぞれ異なるスピンをもつ場が同じ一つの場に統一されるという非常に目覚ましい結果が得られる。この対称性の拡張は、何ら仮定を持ち込まない非常に単純なものなので、宇宙が新しい時空の対称性を持つ事は十分考えられる。新しい対称性は時空の対称性なので、短距離スケールでの重力相互作用とも関係しているはずであるし、また新しい対称性が大統一理論にどういう役割を果たすかは今の所分かっていないが、それらのことを調べることによって、クォークとレプトンの世代構造の謎にせまりたい。
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