研究課題/領域番号 |
03J08472
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
梅垣 千尋 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 啓蒙 / 女性 / ジェンダー / 近代史 / 思想史 / 女性史 / イギリス / 国際情報交換 / 文学 / 女性学 |
研究概要 |
本研究は、18世紀末イングランドにおける数名の女性著述家たちを対象として、女性が「啓蒙」という過程をいかに経験したのかを考察するものである。特に注目しているのは、1780年代から90年代の時期に、政治的問題をめぐる論争的な書物の出版を通じて、「公論」を方向づける役割を果たした女性著述家たちの思想活動である。より具体的には、フランス革命に触発されて『女性の権利の擁護』を書いたメアリ・ウルストンクラフト、共和主義の立場から歴史書『イングランド史』を執筆したキャサリン・マコーリ、保守派として多数のパンフレットを書いた保守派のハナ・モア、非国教徒として穏健な改革を求めたアナ・レティーシャ・バーボールドをはじめ、10数名の女性に焦点を当てて、相互の影響関係と対抗関係を明らかにする作業を進めてきた。新たに今年度は、これらの女性著述家たちが、それ以前のいかなる思想的系譜に位置づけられるのか考察するため、17〜18世紀イングランドの啓蒙思想を複数の流れに分解し、それぞれの系譜におけるジェンダー的な価値の置き方を解明することを試みた。当初予想していたよりも検討対象が増えたため、成果の公表が遅れがちではあるが、昨年度のイギリス滞在で得られた史料の分析とあわせて、引き続き学術研究論文『イングランドにおける啓蒙と女性(仮題)』の執筆を進めている。また、これらの研究の延長として、ウルストンクラフトの忠実な信奉者であったメアリ・ヘイズが1803年に発表した『英国・ヨーロッパ女性伝記大事典(Female Biography)』全6巻の復刻版が出版されたのに伴い、日本語解説の執筆を担当し、ヘイズの思想活動、およびこの文献の意義について論じた。さらに別のやや短い論文では、非西洋世界との関わりでメアリ・ウルストンクラフトの歴史的位置を検討し、問題領域の拡大を試みた。
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