研究課題/領域番号 |
03J08610
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中道 範隆 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 神経細胞 / NMDA受容体 / カルシウムイオン / 脱感作 / インターナライゼーション |
研究概要 |
異なる期間培養した大脳皮質由来神経細胞をCa^<2+>感受性蛍光指示薬に負荷したのち、NMDAに継続的に曝露したところ、培養日数にかかわらず少なくとも1時間は同程度の強さで蛍光強度が持続した。次に、5分間のNMDA刺激後、細胞を洗浄してから異なる時間静置し、再び同濃度のNMDA刺激を行った。その結果、1回目の刺激終了後、細胞を5分間静置した場合では、培養日数にかかわらず1回目のNMDA刺激時と同程度の蛍光強度上昇が、2回目の刺激時にも観察された。しかしながら、25分間静置した場合では、培養3日目の細胞では1回目のNMDA刺激と同程度の蛍光強度上昇が2回目の刺激時にも観察されたのに対して、培養9日目および15日目の細胞では2回目の刺激による蛍光強度上昇は、1回目の刺激時よりも著明に減弱された。さらに、1回目のNMDA刺激終了後、細胞を45分間静置した場合では、いずれの日数培養した細胞においても2回目の刺激時に見られる蛍光強度の上昇は、1回目の刺激時よりも顕著に減弱された。次に、培養9日目の細胞を用いて、NMDA刺激前後の細胞膜表面をビオチン標識してからNRサブユニット抗体を1次抗体とするウエスタンブロット解析を行った。その結果、ビオチン標識されたNR1、NR2AおよびNR2B抗体陽性蛋白質の発現量は、NMDA刺激前と比較してNMDA刺激終了直後では有意な変化は見られなかったが、NMDA刺激終了25分後および45分後では、細胞膜上のいずれのNRサブユニット発現量も有意に減少することが判明した。以上の結果より、大脳皮質由来初代培養神経細胞のインビトロ成熟に伴い、アゴニストが結合することによってではなくアゴニストが解離することによって開始されるNMDA受容体チャネルの細胞質内へのインターナライゼーションが亢進し、細胞膜表面上の受容体数減少に起因する脱感作が出現する可能性が示唆される。
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