研究課題/領域番号 |
03J09603
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大木 淳之 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 黄砂 / 湿性沈着 / 鉱物粒子 / エアロゾル / 鉄溶出 / 海水 / 人為起源 / 溶存鉄 / 降雪 / 粒径分布 / 西部北太平洋 / 北海道 / 乾性沈着 / 酸性気体 / 硝酸 / 海洋大気 / 水溶性イオン成分 |
研究概要 |
大気から地表面へ沈着する鉱物粒子の粒径分布と粒径別鉱物粒子の鉄溶出率を測定した。大気エアロゾルを海水に抽出して鉄溶出率を測定する手法を確立し、人為起源エアロゾルの鉄溶出率を測定した。 1.粒径別鉱物粒子の鉄溶出率 2001年3月11日に大規模な黄砂現象を北海道札幌市で観測した。大気境界層上部に位置する手稲山頂で積雪中の黄砂粒子を集めた。黄砂粒子を沈降法で1<D<3〓mと11<D<30〓mに粒度分別した。両粒径の黄砂粒子を遠沈管内で超純水に攪拌して鉄を溶出させた。1<D<3〓mと11<D<30〓mの鉄溶出率は、それぞれ1.3%と3.0%であった。粒径が10倍でも鉄溶出率はそれほど変わらない結果が得られた。 2.大気エアロゾルを容器内で攪拌して鉄を抽出するには、(1)溶出した無機鉄が容器壁面へ吸着すること、(2)不溶性粒子が容器壁面へ吸着すること、の両方の吸着損失がある。両者を区別することは原理的に不可能である。インライン式で連続抽出する方法を採用し、両吸着損失の問題を解決した。直径47mm、孔径0.1〓mのヌクレポアフィルターで大気エアロゾルを捕集し、そのフィルターを鉄溶出用のインラインフィルターホルダーにセットする。ペリスターポンプで溶媒をフィルターに滴下・抽出した。ポリエチレン製の容器内に抽出液を回収しpH1酸性で安定化させた後、原子吸光光度計で溶出した鉄量を測定した。黄砂の影響がほとんどない冬季は鉄溶出率が数十%に達した。これは人為起源エアロゾルの鉄溶出率が高いことが影響している。本研究で開発した方法を応用すれば、黄砂粒子と大気中酸性気体の反応が鉄溶出率の変化に及ぼす効果、黄砂粒子が雲過程を経た場合の変化、などを調べることが可能である。
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