研究課題/領域番号 |
03J09605
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野田 浩之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 生体模倣金属多核錯体 / 自己組織化単分子膜 / 酸化・還元反応 / 走査型トンネル顕微鏡 / 表面増強赤外分光法 / 単一分子観察 / プロトンカップル多電子移動反応 / X線光電子分光法 / 界面配位子置換反応 |
研究概要 |
本年度は昨年度に得られた結果を基に、生体内における酵素の活性中心モデル錯体である多段階の電子移動を示すオキソ架橋型金属多核錯体を電極表面上へ自己組織化単分子膜として固定化するだけではなく、その分子レベル配列も試み、その電気化学的性質や表面上での二次元的構造等を種々の測定機器を用いて検討した。 はじめに、ヘムエリスリン(Hr)タンパク活性中心のモデルとなるオキソ架橋型鉄(III)二核錯体を合成し、あらかじめ金電極表面上に固定化した末端アミノ基を持つシスタミン分子上に錯体をアミド結合により固定化したところ、金(111)表面上に規則的な分子列を形成することがわかった。また同様に、オキソ架橋型ルテニウム二核錯体について単分子膜を形成し、その電気化学的挙動を検討したところ、電極表面上で[Ru^<III>(μ-OH_2)Ru^<II>]^<2+>/[Ru^<II>(μ-OH)Ru^<III>]^<2+>/[Ru^<III>(μ-O)Ru^<III>]^<2+>に帰属される可逆な酸化還元反応を示した。その場走査型トンネル顕微鏡(STM)によりその反応前後での単一分子像を観測したところ、酸化還元反応に対応してSTM像における錯体分子の明暗が可逆的に変化することがわかった。これによりSTMを用いて可視化することで、プロトンカップル多電子移動反応を追跡できることを初めて明らかにした。これは昨年度検討したルテニウム三核錯体単分子膜と同様に、錯体分子の電子状態の変化によってSTMのトンネル電流の変化すなわち像における明暗が変化したものと考えられる。 しかしながらSTMでは分子の電子状態を知ることは困難なので、続いて平成16年10月からドイツ・ハイデルベルグ大学においてX線光電子分光法を用いて、これまで検討してきた多核金属錯体単分子膜について化学結合状態や電子状態等を検討した。その結果、表面上に固定化した多核金属錯体単分子膜に関する興味深い情報が得られた。
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